ITの進歩やWebメディアにおける変化が顧客サポートのあり方にも影響を及ぼそうとしています。

近年特にチャットやSNSにおけるサポートが注目されています。
そのようなチャットやSNSサポートが注目される背景と最新事情を見てみましょう。


SNS対応からチャット対応へ

Facebookやtwitterなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)の急速な普及は、企業活動、特にマーケティング活動や顧客サポートの方法に大きな影響を及ぼしました。

メディアとしてのSNSの最大の特徴は何と言ってもその拡散力。
顧客サポートの観点から見ると、ネガティブ情報が急速に拡散する「炎上」防止のためのソーシャルリスニングや、
リアルタイムで投稿されるコメントに対してどのような方法でどう対応するべきかが課題となりました。

そしてSNSの特徴を生かして、ネガティブ情報の拡散を防止しポジティブな情報を拡散させることで、企業のイメージ/ブランド向上を目指す手法として「アクティブサポート」が注目されました。
アクティブサポートは、従来の電話やメールでの問い合わせ受付のように、「顧客からの問い合わせを待つ」のではなく、SNSで投稿されている自社に関連するコメントを見つけ出して、企業側から積極的に対応するサポート方法のことです。
ソーシャルリスニングと共に行うことで、SNS上での自社のブランドコントロールが可能になります。

顧客サポートとしての「チャット」がまだ注目される以前ではありましたが、このようなネット上でテキスト(文字)で会話しながらサポートするやり方は、チャットサポートの始まりとも言えます。


チャットブームに火をつけた「チャットボット」

チャットボットとは、普段話す会話の形式(自然言語)で何らかのサービス提供を頼めば、人工知能(AI)がその意図と内容を理解して、ユーザーの代わりに注文や予約を行ったり、発注済のサービスの変更を行ったりしてくれるものです。
近年のAIブームの影響でチャットボットも注目されています。

例えば、「マルゲリータピザのMサイズを今晩7時に自宅に届けて!」「来週の月曜の飛行機とホテルの予約を取っておいて!」と頼むとAIが代行してその注文や予約を行ってくれるようなサービスです。

従来は、電話で話すか必ずしも親切とは言えないWeb画面からユーザーが一生懸命に注文や予約をしなければならなかったところです。
それらの使い方をわざわざ覚える必要がなくなり、普段話す言葉で頼めば高度なサービスを享受できるところがチャットボットの最大のメリットです。
また、チャットボットはスマートフォンアプリなどでの活用が想定されており、企業からは顧客の囲い込みができるメリットがあります。

チャットボットはまだ完全に実用化されているわけではありません。
AIによる「人が普段話す言葉の理解(自然言語処理)」がまだ実用段階に達していないからです。
しかし、各企業が現在積極的に投資を行っており、あと数年で実用化レベルに達すると言われています。


チャットサポートのもう1つの潮流─「Web接客」

チャットサポートにはもう1つ別の潮流があります。
それは「Web接客」です。
Web接客とは、Webサイトを訪れた顧客に対してできるだけパーソナルな対応を行うことで、そのサイトでの注文や予約などに至るコンバージョン率を上げようとするWebマーケティングの手法です。

チャットサポートまたはチャット対応はそのWeb接客の手法の1つで、サイト上でダイレクトにチャットで質問などに対応することができる仕組みです。
こちらはすでに実用化が進んでおり、近年、サイトを訪問すると自動的にチャット用の小窓が出てくるサイトも増えてきました。

ECサイトや予約サイトなどのサイト上で何らかのコンバージョンを目的しWebサイトを中心に積極的な導入が進んでいますが、その対応手法についてはまだ確立されていないのが現状です。

顧客サポートは電話による問い合わせ対応から始まりましたが、電子メールからさらにSNSやチャットと、徐々に「テキストによるリアルタイムのサポート対応」が重視される時代が到来しつつあります。

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