IT・WEBサービスサポートで人材育成と離職防止が重要な理由と効果的な対策

 

人材育成や離職防止は、あらゆる企業のすべての職種において重要なことは言うまでもありません。
IT・WEBサービスサポート業務でも重要と認識されていると思いますが、重要さの程度は、他の職種と同じくらいということはないでしょうか。
もしそうであるとしたら、それは大きな間違いです。

 

IT・WEBサービスサポート業務では人材育成と離職防止は他の職種よりも特に重要と考える必要があります。
そこで、その理由と人材育成と離職防止をどのようにすれば効果的に行えるかについて紹介します。

 

 

IT・WEBサービスサポートでは人材育成と離職防止が特に重要な3つの理由

 

1つ目はIT・WEBサービスサポートで最も重要なスキルは「個人のヒューマンスキル」であるからです。

例えば、営業職であれば、営業担当の個々人に依存する販売力というヒューマンスキルが低くても、販売する製品やサービスがマーケットで信頼されている、あるいは性能・機能で優れていれば販売が可能です。
開発職であれば、1つの製品やサービスを1人がすべて最初から最後まで開発するケースは少なく、各パート別に開発するのが一般的です。
このようなケースではチーム全体のスキルが問われ、開発者個々人のスキルの重要性は必ずしも大きくなく、また絶対的でもありません。

しかし、IT・WEBサービスサポートの業務のほとんどが、担当者個人が顧客の問い合わせに対応することで完結し、その対応スキルが顧客の満足度にダイレクトに直結するからです。
そこでは、製品やサービスの質やチーム力のウェイトは高くありません。

 

 

 

2つ目は、「新しい技術が次から次に登場し、製品やサービスのライフサイクルのスピードが速く、また製品やサービスに新しい機能が追加されることが多く、それが顧客の問い合わせを解決するためにすぐに必要」であるからです。
開発担当者も新技術の知識は必要であり、そのための人材育成は極めて重要ですが、開発担当者には深い知識が求められるため、および自社の都合で教育・研修できるため人材育成のための時間的な余裕があります。

一方、IT・WEBサービスサポートでは、そのような時間的余裕はありません。
そのため、自発的・積極的に新しい知識を吸収しようとする人材を育成する必要性が大きいことから、人材育成の重要性と緊急性はより高いと言えます。

 

 

 

3つ目は「幅広い知識と経験が業務に必要なこと」であるからです。
IT・WEBサービスサポートの業務は、製品やサービスに不満や疑問を持っている顧客に対応しなければならないことから、技術的な知識、営業的なコミュニケーション能力、その他、さまざまな知識、スキル、経験を臨機応変に組み合わせて対応することが求められます。
そのため、短期間に幅広い知識を習得することや、さまざまな顧客とスムーズなコミュニケーション能力を身に付けるには他の職種よりも長く経験を積むことが必要なことから離職防止は極めて重要です。

 

 

 

 

 

人材育成と離職防止を可能にするオンボーディングとは

 

1.オンボーディングとは


「オンボーディング(on-boarding)」の人事用語としての意味は、「新たに採用した人材の受け入れから組織への定着、そして早く戦力化できるように継続性のある人材育成のための施策を実施すること」です。
オンボーディングでは、短期間のオリエンテーション・集合研修、その後の配属部門によるOJTなど一貫性のない短期で散発的な人材育成プログラムではなく、継続的に人材育成をサポートするプログラムで実施されます。
そのため、オンボーディングの対象は、新卒の人材だけでなく入社数年の若手社員や中堅社員、幹部クラスまで含まれ、継続して行われます。

 

 

2.オンボーディングの効果


オンボーディングは、新規採用した人材が組織になれて必要な知識を教育・研修するためだけではなく、組織全体で新規採用人材を受け入れて既存メンバーと新メンバーを短期間で融合させ、組織全体の生産性を向上させられます。

オンボーディングは組織全体を対象に継続性をもって行われるため、新規採用の人材が企業文化や組織内の人間関係にうまく適合できなくて早々に離職することを防止する効果があります。

 

 

3.オンボーディング実施のポイント


オンボーディングで人材育成するプログラムは個々の企業・組織や目的・目標によって異なり、一般的なプログラムはありません。
以下の手順に従って、それぞれの企業・組織で作成する必要があります。

 

 

3-1.目的・目標の設定

どのような能力、スキルをいつまでに、どのように、身に付けるか、組織としてそれらをサポートするにはどうあるべきかの目的・目標を明確にします。

 

 

3-2.目的・目標を達成するための課題の抽出と達成するためのプログラムの作成

目的・目標を達成するための課題を洗い出し、それに対する対策を盛り込んだプログラムを作成します。

 

 

3-3.オンボーディングプログラムの実行と修正、再実行

組織内で検討し、作成したオンボーディングプログラムをPDCAサイクルで回して、より良いプログラムにしていきます。

 

 

 

 

 

離職防止にも大きな効果が期待できる人材育成

 

厚生労働省の2015年の調査による離職理由(複数回答)は、「賃金以外の労働条件がよくなかったから(27.3%)」が最も高く、以下、「満足のいく仕事内容でなかったから(26.7%)」「賃金が低かったから( 25.1%)」「会社の将来に不安を感じたから(24.2%)」と続きます。
離職防止には、これらの原因に対する対策を講じることが必要です。
しかし、すべての項目で社員を満足させられる対策は困難です。

 

そのため、社員に対して別の方法で離職を決意させないようにすることが必要です。
その方法の1つとして、人材育成は効果的です。
2018年度の中小企業白書で企業が考える人材育成の効果は、「顧客満足度の向上」「社員のやる気向上」「生産性の向上」とともに「定着率の向上(離職防止)」があがっています。
人材育成には離職防止だけではなく多くの効果があることから、人材育成に投資することは極めて重要です。

 

 

 

 

 

まとめ

 

人材育成・離職防止は、企業にとっては永遠のテーマで、かつ近年の経営環境ではますます重要性が増大しています。
そのなかでも、IT・WEBサービスサポート業務においては、人材育成・離職防止は重要なことについて紹介しました。
オンボーディングによる人材育成は、従来の集合研修やOJTとして短期的、散発的に行うのではなく継続的に実施することで離職防止も兼ねられるなど多くの効果が得られます。

 

 

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