近年は「カスタマーサクセス」を意識する企業が増えてきました。
SaaSなど新しいサービスの提供が進んでいますので、それに伴い新しい考え方が普及しているのです。

時代は変化しているのですが「まだカスタマーサクセスの意味が分からない」という人は多いようです。
似たような言葉と勘違いしている人もいます。
以下ではカスタマーサクセスについて幅広く解説します。


カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスを直訳すると「顧客の成功」です。
これだけでは意味が分かりませんが、ビジネスの場では以下2種類の意味で利用されています。

  • 企業が生み出すべきバリュー(価値)や成長戦略のテーマ
  • カスタマーを満足させる活動や職務


最近は後者の意味合いで利用されるケースが多く、「顧客の成功体験」を指します。
顧客に「このサービスを利用していて良かった」と思ってもらう業務だと言えます。


カスタマーサクセスが注目されている理由

カスタマーサクセスが注目されている背景には「サブスクリプションモデル」の普及が考えられます。
一定の料金でサービスを幅広く利用してもらうビジネスモデルが増えたことで、サービスを長く使い続けてもらうことが重要になったのです。

ビジネスにおいて「新規顧客の獲得」「既存顧客の継続」はどちらも重要です。
ただ、一般的に新規顧客の獲得にはコストがかかります。
そのため、既存顧客の継続を大切にしなければなりません。

継続してもらえるかどうかの鍵は「成功体験があるかどうか」です。
「サービスを利用していてよかった」との経験が継続につながるのです。
そのため成功体験、つまりカスタマーサクセスが注目されています。


カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの違い

カスタマーサクセスと間違えられやすい言葉にカスタマーサポートがあります。
どちらも英語で省略すると「CS」となりますので、勘違いされやすいのです。

カスタマーサポートもカスタマーサクセスと同様に重要な業務です。
ただ、対応する業務内容は大きく異なり、得られる結果内容も大きく異なります。


カスタマーサクセスのKPI(指標)

カスタマーサクセスのKPIには以下の指標が利用されます。

  • 解約率
  • アップセル・クロスセル率
  • オンボーディング完了率


サブスクリプション型ビジネスをしているのであれば、これらの三要素は特に重要です。
カスタマーサクセスの担当者は、これらを主に意識していきます。

まず解約率は「安定した収益を得られるかどうか」に繋がります。
解約率が高いと収益が安定せず、新サービスへの投信などが出来なくなってしまいます。
また、解約率の低下を狙うだけではなく、アップセル・クロスセルの割合も重要です。
アップセルとは今よりも単価の高いサービスへと移行してもらうことを指します。
それに対してクロスセルは、他のサービスも利用してもらうことで単価アップを図ることを指します。

ただ、闇雲にこれらの提案をしてしまうと、解約に繋がりかねません。
解約率を上げることなく「成功体験」に基づく単価アップをしてもらう必要があるのです。


カスタマーサクセスに必要なスキル

コミュニケーションスキル

カスタマーと良好な関係を作るスキルが必要です。
上手くコミュニケーションを取り、自ら関係作りをしなければなりません。

加えて、成功体験のために熱意を持った対応が必要です。
本心からのコミュニケーションであるのかは相手に伝わりやすい部分ですので、気持ちを込めて伝えるスキルが必要なのです。

分析スキル

成功体験をしてもらうために「何が必要か」を分析するスキルが求められます。
顧客の属性分析だけではなく、競合他社の状況やビジネス環境の変化など様々な観点からの分析が必要です。

顧客に大きな成功体験を与えるためには「いち早く取り組む」ということが大切です。
「競合他社にはない体験ができる」と感じてもらえれば、カスタマーサクセスに繋がります。

企画・提案スキル

企画提案のスキルが必要です。
上記で説明したとおり情報を分析し、そこから新しいものを生み出さなければなりません。

カスタマーサクセスにおいて、企画提案は顧客のゴールだけではありません。
社内の業務を変更する提案や新規サービスの開発に関する提案も含まれます。
社内外を問わず、分析したデータという根拠に基づいた企画提案スキルが必要です。


カスタマーサクセスの事例

日本でのカスタマーサクセスの事例にはメルカリがあります。
個人取引を活発にするためのサービスにカスタマーサクセスの考え方が取り入れられています。

例えばメルカリでは、ユーザーからのヒアリングの場を設けたり、有益な意見への積極的な回答をしていたりします。
意見を伝えれば行動してくれるとの印象を植え付けているのです。

このような行動は、顧客に新たな成功体験を生み出します。
「常にユーザー目線のサービス」との印象を与えられ、利用者の定着につながっています。


まとめ

カスタマーサクセスは、顧客に成功体験を与える活動です。
顧客の満足度を高め、継続的に利用してもらえるように働きかけます。

重要なポイントは、カスタマーサクセスの場合企業側からの働きかけがあることです。
能動的な行動によって、顧客の満足度を高めていくのです。

ただ、能動的な行動は、時に解約にもつながってしまいます。
適切な内容とタイミングを見極めることも、カスタマーサクセスでは重要です。