ITサポートで必須の業務にインシデント管理が挙げられます。業務に組み込んでいる会社も多いことでしょう。
しかし、インシデント管理はトラブルの引き金にもなりえる部分です。
意外とこの事実に気づかれていない会社もあります。

今回はインシデント管理がトラブルになる理由と、それを回避するコツをご説明します。


インシデント管理は意外とトラブルになりやすい

ITサポートの中でもインシデント管理は、トラブルを引き起こしやすい業務です。
その背景にはいくつものことが考えられますが、例えば以下のような理由が挙げられます。

  • 担当者が変わるたびに同じことを聞かれる
  • 対応状況が不明
  • 社内で情報共有されない


見落とされがちですが、このようなことが原因となりトラブルが起きます。
サポートを受ける側へのサービスが行き届いていないことでトラブルが起きるのです。
以下ではこのようにトラブルが起きることを避け、インシデント管理をスムーズに進めるコツをご説明します。


インシデント管理をスムーズに進める3つのコツ

インシデント管理をスムーズに進めるためには以下の3つのコツに注目してみましょう。

  • 過去の問い合わせを共有する
  • 対応状況を把握できるようにする
  • ITILを踏まえたインシデント管理のフローを構築する


それぞれの具体的な手法についてご説明します。

過去の問い合わせを共有する

可能な限り過去の問い合わせを共有し、スムーズに対応できる環境を生み出しましょう。
初期対応のスムーズさは、トラブルを最小限に抑える効果があります。

ITサポートでトラブルが発生する理由のひとつに、同じ質問を何度も問いかけてしまうことが挙げられます。
マニュアルで決められているため仕方がないこともありますが、利用者には苦痛です。
これを解決するために、顧客ごとに過去の問い合わせを共有できるようにするのです。
情報の共有は簡単な手段であればExcelを利用すると良いでしょう。
顧客ごとにExcelシートを分けておき、それを入力したり参照したりします。

ただ、量が増えてくるとExcelでは対処しきれません。
その時は、専用アプリケーションの導入も検討してみましょう。

対応状況を把握できるようにする

インシデントの対応状況を把握できるようにすることもコツです。
せめて社内では、対応状況が誰でも分かるようにしておくことが理想的です。
改めて進捗を確認する問い合わせがきても、状況を確実に回答できるようにするのです。

トラブルになる理由には、ITサポートがなかなか回答をくれないということも挙げられます。
加えて、待ちくたびれて問い合わせをし、状況が分からないとトラブルになります。
ITサポートでの対応に時間がかかることは仕方がないこともあります。
せめて「対応してもらえているのか」と不安にさせないようにすることが重要です。
最低限、社内で対応状況が把握できていると良いでしょう。
これが把握できていれば「おまたせして申し訳ございません」「○○頃にご連絡見込みです」などの回答が可能です。

また、問い合わせされるのが手間であれば、Webシステムで照会できるようにする方法もあります。
費用はかかりますが、利用者が自分の手で照会できると理想的です。

ITILを踏まえたインシデント管理のフローを構築する

ITILを踏まえた、抜け漏れの無いインシデントのフローを構築することもコツです。
適当なフローでITサポートを続けると、インシデント管理のフローでトラブルが起きます。
プロジェクトマネジメントなどを定義するITILでは、インシデント管理のフローとして以下のものが定義されています。

「受付→分類→優先度の決定→担当者アサイン→調査→回答→フォローやクローズ」

これがインシデント管理の理想的な管理フローなのです。
つまり、私たちも可能な限りこのフローに沿った体制を構築することが重要です。
人手が足りないなどの問題があることもあるとは思われます。
ただ、抜け漏れのない理想的なインシデント管理のために、ITサポートであれば上記のフローを意識してみましょう。


ITサポートならインシデント管理はスムーズに対応すべし

ITサポートならばインシデント管理はスムーズに対応できなければなりません。
適切な対応が利用者の満足度を高めるのです。
ただ、何の知識もなくインシデント管理を最適化するのも難しいことでしょう。
その場合、まずはここでご紹介した3つのコツから実践してみてください。
これらを実践するだけでも、トラブルを回避しITサポートの質を高められます。

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