ITサポートに関連する人材育成は難しいとされています。
これはどのような考え方を軸として人材育成を進めるべきか簡単には決められないことが背景にあります。
人材育成の手法は様々存在しています。
どれが正しいとは言い切れないのですが、今回は「品質」に注目した人材育成をご紹介します。
ここに注目した人材育成を皆さんも検討してみてください。
ITサポートの品質を踏まえたチーム育成が求められる
ITサポートのチーム育成は、品質を踏まえることが重要であると考えます。
品質の高いサポートを提供できれば、お客様の満足度を得られやすくなります。
また、それが案件の継続に繋がったり高単価な案件の獲得につながったりもします。
そのように考えるとITサポートのチームはSLA/SLMを達成できなければなりません。
SLA/SLMの意味は以下の通りです。
SLA:どのようなサービスの品質で仕事をするか顧客と合意した数値など
SLM:SLAを維持できるように改善点・対応策などを考えること
明確に顧客と合意した数字を実現することが求められるのです。
メンバー育成の段階からこの数値を意識させることで、品質を意識したチームを生み出せます。
サービスの品質を明確にし、やるべきことを理解させる
サービスの品質レベルが明確になれば、各々がやらなければならないことも明確になります。
これを踏まえてサービス品質からやるべきことを理解させる教育についてご説明します。
SLAの視点から達成すべき指標を理解させる
まずはチーム育成にあたりSLAの観点から達成すべき指標を理解させなければなりません。
例えば以下のような指標が設けられます。
- 平均問合せ解決時間
- 平均問合せ件数
- 即答率
- 定形業務のオペミス件数
- 納期遅延件数
それぞれについて具体的にどのような数値を設定するかは各社で異なるでしょう。
平均問い合わせ解決時間は1時間としなければならないこともあれば、1日としてもよいこともあるはずです。
また、オペミスは0件であることが求められるでしょう。
チーム育成で理解させなければならないことは、まずSLAとして数値が定められていることです。
この数値を達成できなければ顧客から信頼を勝ち取れないことを伝えなければなりません。
また、そのSLAが定められた背景についても理解させましょう。
例えば定型業務のオペミス件数が0件に設定されているのは、手順書が用意されているためミスをするはずが無いからです。
達成すべき指標を理解させることで仕事に対する責任感を持たせることも可能です。
また、自分自身でも客観的にも育成の成果を判断しやすくなります。
SLMで改善すべきことを考えさせる
SLMは段階的に取り組むものですので、チームの人材育成には適していないと考えるかもしれません。
しかし、SLAを理解し基本的な業務になれてきたのであれば、こちらについても考えさせるべきです。
こちらで改善するべきことを考えさせることで、サービス品質を維持したり高めたりすることに繋がります。
設定したSLAは顧客のニーズにあっているのかを判断し、判断結果によってはSLAの変更や運用の改善を進めるのです。
もちろん、SLAを変更するとなると顧客の承認が必要となります。
簡単には変更できないことはあるでしょう。
ただ、育成との観点からはひとまず改善すべきことを考えさせると良いのです。
サービス品質を意識した教育がITサポート人材の育成を進める
ITサポートの人材を育成するにあたり、サービス品質を意識させることは重要です。
何も指標が存在しない状態で育成を進めても、思うように人材育成は進まないものです。
人材を育成するための指標は様々考えられます。
ここでは実際に顧客に寄り添った仕事をすることを踏まえ、SLA/SLMを指標とするべきだとしています。
顧客との合意形成を出す部分ですので、達成すべき目標として最適だと考えられます。
数値目標を掲げた人材育成は客観的に達成率を判断しやすくなります。
それを踏まえた人材育成を進められますので、SLA/SLMなどサービス品質を踏まえた人材育成をおすすめします。