「タレントマネジメント」という言葉を聞いたことがありますか?
昨今では、社員の離職防止やモチベーション管理が、企業において非常に重要になっています。
人事のご担当者様やチーム・部署の責任者の方は日々、これらの課題解決に取り組まれていることでしょう。
この記事では、「タレントマネジメント」の定義や評価項目について解説します。
社員・チームメンバーの離職やモチベーション低下にお悩みの方はぜひ、ご参考になさってください。
タレントマネジメントとは
タレントマネジメントとは、社員(タレント)が持つ能力やスキルなどの情報を経営資源と考え、この経営資源を育成や採用・配置に活用して、社員と組織のパフォーマンスを最大限に発揮させるマネジメント手法のことです。
タレントマネジメントの対象者は、正社員/パート社員/派遣社員関わらず、企業で働く全社員です。
「タレントマネジメント」という概念は、アメリカの大手コンサルティング会社マッキンゼー&カンパニーが、1997年に「The War For Talent(ウォー・フォー・タレント)」というキーワードを発信したことから始まったと言われています。
その後、人材の早期発掘・適正配置・育成について一連のプロセスを統合的にとらえるマネジメントとして、欧米を中心に広まりました。
タレントマネジメント3つの定義
タレントマネジメントには、代表的な3つの定義があります。
SHRMによる定義
SHRM(Society for Human Resouece Management)は、1948年に設立された米国人材マネジメント協会です。
SHRMでは、タレントマネジメントを以下のように定義しています。
「人材の採用、選抜、適材適所、リーダーの育成・開発、評価、報酬、後継者育成等の人材マネジメントのプロセス改善を通して、職場の生産性を改善し、必要なスキルを持つ人材の意欲を増進させ、現在と将来のビジネスニーズの違いを見極め、優秀人材の維持、能力開発を統合的、戦略的に進める取り組みやシステムデザインを導入すること」
引用:世界の大企業のCEOが最重要課題としたタレント・マネジメントとは?|株式会社スマートビジョン
ATDによる定義
ATD(American Society Traininga&Developments)は、1943年に設立された米国人材開発機構です。(旧称はASTD)
ATDはタレントマネジメントについて、以下のように定義しています。
「仕事の目標達成に必要な人材の採用、人材開発、適材適所を実現し、仕事をスムーズに進めるため、職場風土(Culture)、仕事に対する真剣な取り組み(Engagement)、能力開発(Capability)、人材補強/支援部隊の強化(Capacity)の4つの視点から、実現しようとする短期的/長期的、ホリスティックな取り組みである」
リクルートワークス研究所による定義
国内では、リクルートワークスの石原研究員による論文「タレントマネジメントの本質」が挙げられます。
論文の中で、石原研究員はタレントマネジメントについて、以下のように定義しました。
「タレントマネジメントとは、組織における個人一人ひとりの能力とリーダーシップを最速で開花させることによって、組織内のリーダーシップの総量を極大化させ、より高いビジネスゴールを達成することを目的とした、上司・本人・人事による成長促進のためのプロセスである」
タレントマネジメントの本質┃石原直子リクルートワークス研究所・主任研究員
タレントとは
タレントマネジメントにおける「タレント」とは、ある特定の能力や資質を持つ人のことを指します。
こう聞くと、スキルが高い人や資格を持っている人だけをタレントと呼ぶのではないかと感じるかもしれませんが、企業の戦略によって必要な能力や資質は変わってくるので、単に優秀な人がタレントというわけではありません。
すべての社員がタレントになる資質がある、と言えます。
タレントマネジメント5つの基本評価項目
タレントマネジメントを実践するには、どのような項目で社員を評価するのかを明確にしなければいけません。
そして評価の項目は自社の課題解決に寄与するものを設定することが重要です。
その上で、社員を評価・管理する仕組みを構築する必要があります。
ここでは、業態や業種に関わらずどの企業でも必要な基本の評価項目5つについて見ていきます。
基本的な属性情報
1つめの項目は、社員の基本的な属性情報です。
具体的には以下のような情報が該当します。
- 年齢
- 性別
- 所属部署
- 役職
キャリア情報
2つめの項目は社員のキャリアに関する情報で、以下のようなものが挙げられます。
- 学歴
- 職歴
- 過去の所属部署
- 社内研修や外部研修の受講歴
- 社内での表彰経験
社員がどのようなキャリアを歩んできたかはもちろん、会社が今後期待しているキャリアと本人が望むキャリアを一致させることで、社員のモチベーションアップに繋がります。
スキル情報
3つめの項目は社員のスキルに関する情報です。
資格などの情報もここに該当します。
社員が持つスキルや能力は、適切に人員配置する上で欠かせない情報です。
特に資格は好き嫌いなどの感情論ではなく、正確で客観的に判断できる材料になるからです。
しかし、資格と違ってスキルや能力は、正確に測れないケースも少なくありません。
その場合は、上司や同僚、社員自身の評価から点数をつけるなど、評価する項目を独自に設定すると良いでしょう。
厚生労働省は、「キャリアマップ」や「職業能力評価シート」を活用した企業の取り組みの事例を紹介しています。
例えばスーパーを展開するとある企業の事例では、社員の能力について以下のような項目を設定しています。
<共通能力ユニット> ● コンプライアンス ● CS(顧客満足)の推進 ● 食の安心・安全の提供 ● 接客/お客様ニーズの把握
<選択能力ユニット> ● 在庫管理 ● 発注・入荷管理
<情意> ● 向上心
【出典】厚生労働省『「キャリアマップ」、「職業能力評価シート」を活用した企業の取り組み事例について』
https://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/syokunou/10.html
求められるスキルや能力は、企業によってさまざまです。
自社の経営理念や経営戦略に応じて評価項目を定めましょう。
行動に関する情報
4つめの評価項目は、社員の行動に関する情報です。
以下のような情報が該当します。
- 社内での打ち合わせ回数
- お客様とのアポイント回数
- 勤務状況(遅刻、早退、欠勤、残業)
例えば営業社員がどれだけお客様とのアポイントを獲得しても、最終的に成約に繋がっていなければ、生産性が悪いと判断されます。
また営業成績がいくら良くても、遅刻や早退が多ければ勤勉性に欠けると評価されるでしょう。
社員の行動を多面的に判断し適切に評価するためにも、行動に関する情報は重要な指標になります。
考え方や価値観に関する情報
5つめの項目が社員の考え方や価値観に関する情報で、以下のようなものが挙げられます。
- 仕事に求めるもの
- どのような仕事にやりがいを感じるか
- 自分のキャリアについての考え
企業は社員の考え方や価値観を知った上で、より本人の能力が発揮できるように人員配置しなければいけません。
価値観や考え方は、仕事のモチベーションに大きく関わってくるからです。
タレントマネジメントが注目される背景
タレントマネジメントが注目されている理由には、いくつかの社会的背景が関係しています。
労働市場の変化
日本の労働市場は近年大きく変化しており、中でも少子高齢化による人手不足は深刻です。
総務省の発表では、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少傾向にあり、2050年には、5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれています。
【出典】総務省「第1部特集情報通信白書刊行から50年~ICTとデジタル経済の変遷
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd121110.html
つまり労働者が減少し、企業は常に人材不足のような状況に陥ってしまうということです。
人材不足の状況では、企業は最低限の人材を適材適所に配置し、組織の生産性を高めていくことが求められます。
そのためには、少ない資源(人材)を最大限有効に活用する必要があります。
企業の経営課題の変化
人手不足は、企業の経営課題も変化させました。
企業の3大資源である「ヒト・モノ・カネ」の中でも、「ヒト」に関する問題がウエイトを大きく占めるようになったのです。
とくに以下の課題が多くの企業で認識されています。
- 人材育成が難しくなっている
- 人事評価が難しくなっている
- 若手社員の離職を防止できない
- 中堅社員が育たない
- 採用の効率化に迫られている
上記の通り、「ヒト」という資源をどう増やして(採用)、どう確保するか(離職防止)が、企業の経営課題になっているのです。
働き方に対する価値観の多様化
近年のビジネスマンには、給与や昇給・昇進といったインセンティブよりも、「やりがい」や「働く目的」、「楽しく働くこと」などを重視する人が少なくありません。
また、1つの企業で長年働くといった意識は薄れてきています。
2021年度の新入社員意識調査によると、「今の会社は3年以内」と回答した人は、2019年の22.1%から、2021年は28.3%に上昇しました。
【出典】マイナビ転職「2021年新入社員意識調査」
https://www.mynavi.jp/news/2021/08/post_31533.html
人材の流動が激しい労働市場では、個々の特性にフォーカスし、仕事に対するモチベーションを重視するタレントマネジメントが注目されるのも、自然な流れといえるでしょう。
タレントマネジメントでできること
では、タレントマネジメントを実施すると、人事や教育制度はどのように変わるのでしょうか。
人材情報の可視化
タレントマネジメントを実施するためには、社員の情報を洗い出し、整理・集約するところから始まります。
この作業を行うことで、属性・キャリア・スキルだけではなく、行動や考え方といった目に見えにくい情報も可視化することができます。
一人ひとりに最適な人材育成
社員一人ひとりが描くキャリアビジョンを可視化できれば、目指すビジョンに沿って育成することも可能になります。
例えば現場でリーダーシップを発揮している人材が、将来マネージャーになりたいと考えているならば、マネージャーに必要な研修や教育を早い段階で実施します。
また、研究職に就いている社員が今後も同じテーマを深掘りしていきたいと考えているのであれば、より専門的な知識習得のために講習受講の機会を与えたり、資格取得費用を支援できたりするはずです。
このようにタレントマネジメントによって、個々の能力や描くキャリアプランに最適な人材育成を実施することが可能になるのです。
適材適所の人員配置
社員の情報を可視化すると、社員一人ひとりの適性も多角的に見えるようになります。
また、情報を集約することで、本来は当事者以外からは見えづらい業務の全体像や流れが把握できます。
その結果、どの人材がどのポジションに適しているかが判断しやすくなります。
例えば営業部では発揮できなかった能力が、管理部では発揮できるケースもあるでしょう。
このように、タレントマネジメントでは、社内の実情に沿って適材な人員配置が実現します。
タレントマネジメントの効果
実際にタレントマネジメントを行うと、さまざまな効果が得られます。
主な効果4つを見ていきましょう。
社員の主体的な能力向上
タレントマネジメントを実施している企業では、社員自ら「こういう能力を身につけたい」とキャリアについて主体的に考えられる環境にあります。
主体性のある社員は、「もっと成果を上げるには?」「効率化するには?」と自ら創意工夫して仕事に取り組むようになります。当然、成長スピードも早まります。
さらに、以下のような特性も表れるでしょう。
- 分からないことでも理解しようと努力する
- 自ら率先して行動する
- 知的好奇心が旺盛になる
- 自分の能力に自信を持つようになる
社員のエンゲージメントの向上
すでにご説明した通り、タレントマネジメントでは、社員一人ひとりに適合したキャリアマネジメントが推進されます。
そのため社員は、仕事へのやりがいや意義を感じやすくなります。
そして「自分の能力を発揮できていて、なおかつ職場に貢献できている」と感じることで、社員のエンゲージメントは高まります。
社員のエンゲージメントは、以下の3つの要素から成り立っています。
- 会社のビジョンへの共感
- 働きやすい環境
- 仕事へのやりがい
タレントマネジメントは、まさにこの3つを喚起させる施策と言えるでしょう。
生産性向上
タレントマネジメントでは、それぞれの経験やスキル・キャリアプランに合致したポジションに社員を配置します。
その結果個々の能力が最大限に発揮できれば、組織全体のパフォーマンスが上がり、必然的に生産性も向上します。
生産性向上は、他にも企業に以下のメリットをもたらします。
- 人手不足の問題が軽減される
- 競争力の向上
- コスト削減
- ワークライフバランスの向上
- 働き方改革の実現
採用・育成コストの削減
タレントマネジメントを実施すると人員配置の流動性が高まります。
すると人手不足やスキル・ノウハウ不足に、社内の人事異動で対応できることが増え、採用コストを削減できるようになります。
またタレントマネジメントは社内の人材情報が可視化されるだけでなく、自社に不足している人材の情報も可視化されます。
これによって採用時のミスマッチが防げ、余計な採用コストが発生しなくなります。
異動・採用後も、社員が思い描くキャリアプランと企業が望むキャリアプランとのすり合わせができていれば、社員は主体的に能力向上に励むようになり、少ない育成コストで高い効果を得られます。
また初めからある程度適正のある社員を配置することで、育成コストを抑えられることもあるでしょう。
タレントマネジメントの実施方法 -5ステップ-
では、タレントマネジメントは具体的にどうやって進めていけばいいのでしょうか。
進め方を間違えると、効果が出るまで時間がかかってしまいます。
タレントマネジメントを実施する手順について、見ていきましょう。
ステップ1:目的の明確化
次世代のリーダーを育成したいのか、適材適所に人員配置して生産性を高めたいのか。
このように、自社の目的を洗い出すことからタレントマネジメントは始まります。
ポイントは、自社が現時点で不足していること(課題)を埋めるために、どのようなタレント(人材)が欲しいのかを特定することです。
課題とタレントを特定できれば、それぞれの目的に対する計画を立てたり、ゴールと評価方法を設定したりすることができるようになります。
ステップ2:部署間の協力体制を構築
タレントマネジメントは一つの部署だけでは完結できません。
採用や配置に関わる施策と聞くと人事部門が行うものと考えられがちですが、組織内すべての部署の協力が必要です。
部署を横断した協力体制があれば、施策を実行しやすくなるでしょう。
しかし部署によっては協力を求めた際に「忙しいから」「詳しくないから」と、非協力的な姿勢を見せる責任者もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、その部署にとってのメリットを提示すると、受け入れてもらいやすくなります。
ステップ3:人材情報をデータベース化する
すでにご説明した通り、タレントマネジメントは社員の情報を洗い出し、整理・集約するところから始まります。
これらの人材情報は、データベース化することで一元管理できるようになります。
人材情報を一元管理することは、業務の効率化につながります。
情報を一か所に集約し管理方法を一つにすることで、保管コストの削減や管理・検索にかかる時間の短縮が実現できるからです。
なお人材情報のデータベース化には、後述するタレントマネジメントシステムが有効です。
ステップ4:採用・配置転換・育成を実施する
データベース化した人材情報を元に、目的・計画に沿って具体的な採用活動や育成、配置転換を実施します。
企業の戦略上必要な人材・配置と現状とのギャップを洗い出し、理想的な組織体制に近づけるように採用や配置転換、育成を実施していくと効果的でしょう。
ステップ5:評価・改善を行う
実施後の評価と改善も重要です。
当初の実施目的に沿って運用できたのか、運用が業績向上に繋がっているかなどを確認するためです。
もし効果が表れていないなら、「なぜうまくいっていないのか?」の分析が必要です。
ボトルネックになっている部分を改善してまた運用する、といったPDCAサイクルを回していくことで、施策がブラッシュアップされていくでしょう。
タレントマネジメントシステムとは
「タレントマネジメントシステム」とは、社員の情報をデータ化し一元管理するシステムのことです。
近年ではタレントマネジメントシステムの種類が増え、導入する企業も増えていますが、ここでは、タレントマネジメントシステムの主な機能やシステムの選び方について見ていきましょう。
タレントマネジメントシステムの主な機能
タレントマネジメントシステムの一般的な機能は、以下の3つです。
- 基本の人材データベース
- 登録情報の管理や分析
- 検索
基本の人材データベースには社員の基本的な情報を登録できるのはもちろん、以下の機能が備わっていることもあります。
- 目標・パフォーマンス管理
- 組織図・帳票関係・社員リスト作成
- 採用管理
タレントマネジメントシステムの選び方
タレントマネジメントシステムを選ぶ上でポイントになることがいくつかあります。
目的を達成できるかどうか
大前提として、目的に沿ったタレントマネジメントシステムを導入しなければいけません。
タレントマネジメントシステムは、主に以下のタイプに分類されます。
多機能タイプ | 評価、育成、活用などすべてを網羅できる |
人事評価に強みを持つタイプ | 評価業務・フローが煩雑になっている企業向け |
目標管理に強みを持つタイプ | 人材育成に注力したい企業向け |
人材活用に強みを持つタイプ | 新規事業の立ち上げやリーダー候補の選定にいかしたい企業向け |
最適なシステムを導入して初めて、自社が抱えるさまざまな課題を解決し目的を達成することができます。
使いやすいかどうか
システム導入はできるだけ使いやすいものを選ぶことも重要です。
使いにくいシステムはかえって業務を煩雑にしてしまいます。
システム導入のチェックポイントは、以下の項目をご参考になさってください。
- デザインが見やすいか
- 必要な項目を網羅できているか
- 検索や抽出の仕方は理想通りか
また、いくら多機能でも使いこなせなければ“無用の長物”です。
多機能なシステムは費用も高くなる傾向があるので、迷ったときは必要最低限の機能が揃っているものを選ぶと良いでしょう。
システム利用にあたってフォロー・サポートの仕組みがあるかどうか
サポート体制も、システムを選ぶ上でのポイントのひとつです。
タレントマネジメントシステムの構築や運用は、人事戦略やデータ分析に関する知識が必要になります。
知識がない場合はコンサルティングやサポートを受けなければ、システムを使いこなすことはできません。
とくにこれからタレントマネジメントを始める企業にとっては、システムの使い方以前にタレントマネジメントそのものについて学べる機会があった方が良いはずです。
費用も機能も同じようなシステムで迷ったら、セミナーや活用支援がある方を選ぶと良いでしょう。
タレントマネジメントを成功させるポイント
最後に、タレントマネジメントを実践する上で、外せないポイントについてお伝えします。
成功させるための、4つのポイントについて見ていきましょう。
「企業の成長」という最終的な目的を忘れない
タレントマネジメントの最終的な目的は、企業の継続的な成長への貢献です。
実行することで社員が高いパフォーマンスを発揮し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
タレントマネジメント自体は目的ではありません。
採用活動や配置転換は、タレントマネジメントの要旨ではありますが、目的ではないことを忘れないようにしましょう。
人材情報は更新し続ける
タレントマネジメントは体制を構築して終わり、システムを導入して終わり、というものではありません。
PDCAサイクルを回し続ける必要があります。
また人材情報は日々変わり続けます。
最新ではない情報を利用したことで思うような効果が得られず失敗するケースも少なくありません。
見直すタイミングをこまめに設けるなどして、情報の鮮度を落とさないようにしましょう。
手間はかかりますがタレントマネジメントを成功させる上では欠かせない作業です。
取り組みや目的を社内に周知する
タレントマネジメントは、主に人事部門が中心になって進めていきます。
しかし、実施する上で他部門の協力は欠かせません。
そのためには「なぜタレントマネジメントに取り組んでいるのか」を明確にして、社内全体に周知させる必要があります。
社内への周知が徹底されない職場では、以下のような不備が生じてしまいかねません。
- 社員から情報が思うように集まらない
- データをうまく活用できない
- 現状の人事制度と連携していない
企業の持続的成長に繋がるタレントマネジメントは、全社で取り組む施策であることをすべての社員に理解・周知させることが大切です。
マネジメント層にも周知する
先述通り、タレントマネジメントは全社員に理解・周知させなければなりません。
そしてそれはマネジメント層も例外ではありません。
まずはマネジメント層にタレントマネジメントの目的を理解・周知させることで、トップダウン型の効率的な運用ができる可能性が高まります。
必要に応じて人事部門や外部講師からの研修を行うと良いでしょう。
まとめ:チームビルディングにタレントマネジメントを導入しましょう
労働市場や働き方の変化によって、これからの企業は限られた人材をどう活用するかがより重要になっています。
採用や育成にかかるコスト、社員のモチベーションの低さ、離職率の高さに悩んでいる方は一度、タレントマネジメントの実施を検討してみてください。