近年はコールセンターにおいて応対品質が重視されています。
今まで重視されていなかったわけではありませんが、近年は「応対品質が顧客満足度につながる」との考えが広がり、より重視されるようになっています。

そこで今回は改めて重要性を理解してもらうために、応対品質の意味から評価方法、向上のためのポイントについて解説します。

コールセンターにおける応対品質の意味とは

一般的にコールセンターにおける応対品質とは、オペレーターの電話対応の質(レベル)を指します。
「オペレーターが行った電話対応に対して、顧客の満足度を可視化したもの」と言い換えても良いでしょう。

ただ、コールセンター目線ではなく顧客目線で「応対」を定量的に測るのは難しいのが現状です。
どうしても顧客目線とはギャップが生まれやすくなってしまいます。
そのため、後述する通り、応対品質を評価する方法を企業として確立する必要があります。

なお、コールセンターにおける応対品質に厳密な定義はありません。
そのため、コールセンターの状況に応じて柔軟に理解するようにしてください。

応対品質を管理する方法

コールセンターにおいて、オペレーターの電話対応をモニタリングしてチェック・評価する作業を応対品質管理と呼びます。
この作業をしなければ、コールセンターとして応対品質の担保ができなくなってしまいます。
応対品質を担保して顧客満足度を高めるために応対品質の管理方法を解説します。

評価項目の決定

最初に応対品質を管理するための評価項目を決定します。
コールセンターによって評価項目には差がありますが、多くのコールセンターで採用されているのは以下の項目です。

  • 応答率(ASA)=電話の繋がりやすさ
  • 一次完結率(ATT)=対応の速さ・正確さ
  • コミュニケーション力

ただ、なかなか数字に表しづらく、評価しにくいものもあります。
例えばコミュニケーション力は評価しにくいものの代表例です。
そこで、数字に表しづらいものは「モニタリングスコア」を利用するのがおすすめです。

モニタリングスコアとは実際の応対をモニタリングし、その応対から受ける印象や話し方・言葉遣いなどをスコアリングしたもので、数字には表しにくい品質も評価することができます。

モニタリングスコアで使われる項目の例
モニタリングスコアで使われる項目の例

なお、注意したいのは「コールセンターの対応内容によって評価項目は変わる」という点です。
例えば「Q&Aやマニュアルを参照すれば簡単に答えられる内容」と「時間をかけて問題を分析し、解決方法をレクチャーする内容」とでは評価の観点が異なります。

例えば比較的簡単な一次対応を業務とするコールセンターでは一次完結率(ATT)がより重視されるのは当然ですが、製品やサービスの不具合窓口となっているコールセンターでは、一次完結率(ATT)ばかり重視していては、お客様の問題を十分に解決することはできません。
特に「テクニカルサポート」など複雑な内容を取り扱う場合は、評価項目を吟味しましょう。

評価項目を決定する際のポイントは「具体的に定義する」ことです。
可能な限り具体的な数値を利用したり、具体的なキーワードを含めたりして決定しましょう。

チェック方法の決定

続いて評価項目のチェック方法を決定します。
チェック方法は大きく分けて以下の2つが考えられます。

  • 社内調査
  • 外部調査(診断サービス、ミステリーコールなど)

社内調査はオペレーターの対応をSV(スーパーバイザー)などが「リアルタイムでモニタリングする」か「過去の通話履歴をモニタリングする」という方法です。
最近では電話相手の感情を認識するシステムなどもあり、専門家に頼らずとも社内で調査することも比較的容易になっています。

もし、社内でのリソースに余裕がなかったりチェック方法に悩んだりした場合は、外部の会社に調査を依頼するのも一つの方法です。
これらの診断サービスを利用することで専門家が適切に応対品質を評価してくれますので、より客観的に品質を担保することができます。

外部調査の中には、ミステリーコールというサービスもあります。
覆面調査とも呼ばれ、調査員がお客様を装って電話しオペレーターの応対品質を、あらかじめ決められたチェック項目に従って評価するものです。

どの方法が良いとは一概に言い切れません。
コールセンターの規模や社内のリソースを踏まえて決定するのが良いでしょう。

応対品質のチェック方法は、自社のコールセンターの規模や社内リソースを踏まえて決定しましょう
応対品質のチェック方法は、自社のコールセンターの規模や社内リソースを踏まえて決定しましょう

評価スケジュールと担当者の決定

項目と方法が決定したら、評価のスケジュールと担当者を決定します。
評価はできることなら毎月実施するのが理想的ですが、現実的な回数ではありません。
3ヶ月から6ヶ月に1回の評価スケジュールが一般的です。
現実的に考えて実現可能な回数を設定しましょう。

また、評価の担当者を決定しておく必要があります。
現実的にはチームリーダーやSVが評価担当者を兼任するのですが、精度を高めるためには本来専属の担当者(QA部門)を配置するべきです。
応対品質を評価するために多くの人を用意するとコストがかかりますが、それだけ評価する意味は高まります。

コストを抑えて無意味な取り組みを続けるよりは、多少コストをかけてでも意味のある取り組みにした方が、業務改善や事業発展には効果的です。

応対品質を向上させるポイント

応対品質を向上させるためにはポイントがあります。
例えば以下のポイントに着目してみましょう。

  • 数値などの根拠を元に評価する
  • 評価担当者を研修し、応対評価の内容を論理的に説明できるようにする
  • 評価するだけではなく改善に向けて指導や研修を行う
  • 評価後にモチベーションが下がらないようにフォローアップする

評価担当者は評価の結果をオペレーターに通知する際は数値という明確な根拠を示し、かつ評価の理由を論理的に説明することを心がけましょう。
これができなければ評価される側は納得感に欠けてしまい、応対品質の向上に繋がりません。

また、応対品質は評価して終わりではなく、評価後のフォローが大切です。
応対品質が高まるように指導や研修を行ったり、評価が悪かった場合にモチベーションが下がらないようにフォローアップしたりしなければなりません。

応対品質を向上させるためには、評価されたオペレーターへのフォローも大切
応対品質を向上させるためには、評価されたオペレーターへのフォローも大切

まとめ

コールセンターにおける応対品質についてご説明しました。
応対品質はコールセンターの評価となり、これが顧客満足度に繋がります。
そのため、コールセンターを有する企業では、応対品質を重視するべきです。

応対品質は「顧客目線」で評価しにくいものです。
そのため、可能な限り客観的に評価できるような仕組みづくりが求められます。
数値など具体的な値を使って評価基準を定め、納得感の高いものにしましょう。
初めのうちは、試行錯誤しながら基準を定めるのもやむを得ません。

もしも社内だけで応対品質の評価が難しい場合は、外部への委託も視野に入れるべきです。
プロの観点から評価してもらうことで、応対品質を効率よく高められる場合があるのです。