クレーム対応は時間が掛かる上に、対応時のストレスも大きなものです。
しかしクレームへの対処はメール対応においても非常に重要なタスクの1つ。
コツを知れば対応の効率も上がり、お客さまにとっても自社にとっても納得できる解決を導き出すことができます。


クレームメール対応の基本方針

単なる苦情処理以上の意味があることを認識する

クレームメールの対応は単に発生した苦情を処理する以上の意味があります。
商品に不満がある場合でも、多くの顧客はクレームすら申し立てずに「黙って」去っていきます。
クレームを申し立てるということはまだその企業に期待をしている証拠。
「商品などに不満を持った顧客のうち、苦情を申し立ててそれが解決した顧客がその商品を再購入する率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに比べて高い」というグッドマンの法則というものがあります。
(1980年前後の米国消費者調査に基づきTARP社が提唱)

クレームメールの対応は、発生した問題を解決することによって、自社(商品)へのロイヤルティを向上させ、優良顧客を育成するという意味も持ち、単なる「苦情処理」というネガティブな側面だけでなないことを意識する必要があります。

最優先で対応する

クレームに関しては「時間が解決してくれる」ことはほとんどありません。
一時的に感情が収まる場合もありますが、無駄な時間が経過すれば大抵は感情が鬱積し、より「悪化」します。
クレームメールをスムーズに解決したいと思うなら、まずは最優先で対応しましょう。

対応までに時間がかかる場合は、対応予定や調査進捗などの内容を連絡するなど必ず一次対応しておきましょう。
何もせずに放置するのは最も危険で意味のない選択です。


クレーム対応の実際

まず状況を把握する

メール文面から、お客さまに何が起こっているか、できるだけ正確に把握します。
クレーム対応はこの状況把握が起点です。
さらに、お客さまがどのような解決を望んでいるかも理解します。
状況が複雑でメール文面だけからでは全体像が理解しづらい場合は、メモなどに一旦状況を書き出してまとめると状況が把握しやすくなります。

いくらきつい言葉でクレームを申し立てられていても、お客さまは自分に腹を立てているわけではありません。
自社の製品やサービスに対して不満を持っているだけです。
それを誤解せずに冷静に読み解いていくことで客観的な状況把握が可能になります。

「とにかく謝る」は間違いか?

「とにかく謝ればいい」というのは間違った考えですが、「まず誠意をもって謝罪する」ということはクレーム対応にとっては非常に大切なことです。

しかし謝罪のやり方には気を付けなければいけません。
自社が100%悪い場合を除いて「全面的な謝罪」を行ってはいけません。
現実的に100%自社だけに非がある場合は極めてまれです。

全面的な非を認めてしまうと、応える必要のない要求まで聞かなければならなくなる恐れがあります。
自社に非がある部分は丁寧に謝罪し、逆に非がない部分は謝罪をせずに、しっかりと状況を説明するようにします。

解決策を提案する

状況を把握し、必要十分な謝罪をした後に始めて「解決策の提案」をしましょう。

こちらが考えた解決策によって必ずしもお客さまの問題が解決したり、お客さまからの要求を満たすことができるという保証はありません。
その解決策が最善かどうかを最終的に判断するのはお客さまですので、こちら側からはあくまで「解決策の提案」という立場で臨むことになります。

また、最初から最善策を提案すべきかどうかは、状況によって判断したいところです。
発生している事態の全容を把握しており、裏も取れているのであれば、最初から最善策を提案するのが良いのですが、そうでない場合は事態が明確になるにつれて解決策の提案内容も徐々に具体化していくのが良いでしょう。

文面/表現にはいつも以上に細心の注意を払う

今以上にお客さまの感情を刺激しないように、敬語などを含めた言葉づかいには最大限の注意を払うことが必要です。
また、クレームメール対応中に誤った内容を伝えてしまったりしたのでは信頼関係を構築することができません。

そうなると解決するものも解決しなくなりますので、返信内容の言葉遣いが正しいか?
また誤りや誤字や脱字がないか、いつも以上に最上級の注意を持ってチェックしてから送信しましょう。

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