経営の維持・拡大や効率化に顧客満足度の重要性がますます大きくなっていることに疑問を持っている企業はありません。
しかし、重要性を理解してはいても、顧客満足度を測定する指標については、効果的な対策に着手できていない企業が多いのではないでしょうか?
そこで、顧客満足度を測定する指標で重要なCSATとNPS®の意味と違い、使い分けの方法について紹介します。
本記事を読むことで、顧客満足度を測る指標について理解できます。

CSAT・NPS®が顧客満足度の向上に重要な指標である理由

かつて顧客の購買活動は「モノを所有する」ことに重点がおかれていました。
人がまだ所有していないものをいち早く購入する、あるいは人よりもより高級なブランド品を購入するなどに価値がおかれていた時代は顧客に購入してもらうまでが最も重要でした。

しかし、現在顧客の購買活動は所有よりも利用に重点をおくように変化しました。
また消費者は企業が発信する企業に都合の良い情報だけではなく、消費者目線の客観的で公平な情報も重視するようになりました。
さらに、不特定多数の消費者に大量生産・大量販売は通用しなくなり、不特定多数の消費者へ販売するためには広告・販促コストが多くかかるようになりました。
これは経営的には非効率です。
そのため、顧客をできるだけ多く囲い込んで1人の顧客に繰り返し購入してもらう販売手法の重要性が高まっています。
また、顧客がSNSなどを通じて企業の経営にプラスになる情報発信を促進することは、競争優位を確保するために欠かせません。

これらの理由から、CSATやNPS®といった手法を利用し、顧客満足度・顧客ロイヤルティを測定し、この結果を活用して顧客満足度・顧客ロイヤルティを向上させていくことが経営上、不可欠で重要なマーケティング施策の1つとなっています。

CSAT・NPS®とは?その意味と違い

CSATとは

CSATとは、顧客満足度指標(Customer Satisfaction Score)のことです。
具体的には、購入を思い立ってから情報収集・購入・製品やサービスの利用・アフターサービスやサポートの利用などに至る間に顧客が体験した全体の満足度を測定する指標です。
顧客がした体験について「満足したかどうか、目標を達成できたかどうか」を測ります。
例えば何かを購入した後に満足度を評価したり、web上のサポートページであれば「問題は解決しましたか?」などと尋ねられたりするものがこれに当たります。

顧客満足度調査「いかがでしたか?」
例1:商品・サービスの感想を尋ねるアンケート
顧客満足度調査「問題は解決しましたか?」
例2:目的を達成できたかどうかを尋ねるアンケート

この指標の数値が高いと、継続して自社製品やサービスの購入・利用が期待できます。
CSATは、製品やサービスの購入対応の直後、購入後から一定期間経過後、あるいはサポートへの問い合わせ終了直後など、その時点における短期的・一時的な顧客満足度を測定できる指標です。

NPS®とは

NPS®とは、顧客ロイヤルティ指標(Net Promoter Score)のことです。
CSATが、顧客にとっての製品やサービスに対する満足度を測るのに対し、NPS®は「顧客が製品やサービスを第三者にすすめたいかどうか」を測定する指標です。
具体的には「この製品・サービスを友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問をし、0~10の11段階で回答してもらいます。
そして9~10点を付けた顧客を「推奨者」、7~8点を付けた顧客を「中立者」、0~6点を付けた顧客を「批判者」と分類し、回答者に占める推奨者の割合(%)から批判者の割合(%)を引いた値をNPS®とします。

NPS®の詳細については、こちらの記事もご確認ください。

NPS測定でされる質問
NPSを測る質問
NPSの計算式
NPSの計算式

この指標が高いと継続して製品やサービスの購入・利用が期待できるほか、友人・知人など第三者に購入や利用をすすめてくれることが期待できます。
また、SNSなどで企業にメリットのある情報を積極的に発信してくれる可能性が高まります。
そして、高い値のNPS®を持つ顧客の全体に占める割合が多くなるほど、ブランド(企業)イメージが向上し、価格競争に巻き込まれにくい競争優位を築くことができ、経営力を強化できます。
また、NPS®はCSATよりも継続、反復して測定する指標であるため、CSATよりも長期的・継続的な視点での顧客満足度(顧客ロイヤルティ)を測定できます。

CSAT・NPS®の活用法と使い分けの方法

CSATとNPS®は、どちらも定期的に測定し、指標の値の低い顧客の割合が多ければ原因を特定し、改善しなければなりません。
一方、高ければ何もしなくても良いというわけではなく、時系列、製品やサービス別、担当者別、地域別などで指標に差異や変動はないかなどをより細かく分析して、高い数値を維持できるようにします。
また、数値だけの定量的な分析だけでなく、高い数値がつけられた定性的な理由も確認して総合的に顧客満足度を分析する必要があります。

CSATとNPS®はどちらか一方が優れているわけではないので、どちらか1つを選んで使うべきというわけではありません。
目的に応じて使い分けるか、あるいは両方を使って分析します。
2つの指標を数値化し、数値の原因を把握することで、顧客の考えていることをより正確に理解できるようになり、顧客満足度を高めるための効果的な対策を立案できるようになります。

使い分けについては前述の通り、CSATは顧客が体験した自社の製品やサービス・対応などに対する全体の顧客満足度を測定するために利用します。
一方、NPS®は、顧客が自社製品やサービスを第三者にどのくらいすすめる可能性があるかを測定することで顧客の企業に対するロイヤルティを測定する目的のために利用します。
また、CSATは個々の企業の業種・業態や製品・サービス別などに応じて、きめ細かく顧客満足度を測定できます。
しかし、測定方法を変えて算出された顧客満足度それぞれの指標との比較は、一律にできません。
一方、NPS®は業種・業態、製品・サービスなどを問わず、指標の測定方法は同じのため、他社との比較やその他の比較を一律に行えます。

まとめ

CSATやNPS®は、顧客満足度・顧客ロイヤルティを効果的、相乗的に高めるための手段として相互に補完し合える指標です。
そのため、必要に応じて、組み合わせ、使い分け、顧客満足度・顧客ロイヤルティを改善して高めていくことが重要です。