電話での印象を左右するものが何か考えたことはあるでしょうか。
いくつかの要因はありますが、最も影響するのは声です。

実は電話の印象は声を意識するだけで大きく変化します。
少しのポイントを意識するだけで、印象は簡単に良くなるのです。
さらに声以外にも、印象を改善できるポイントがいくつかありますので、併せてご説明します。

電話対応の印象を決めるもの

電話対応の印象を決める主な要素には以下が挙げられます。

  • 言葉遣い
  • 聞き取りやすさ

まずはどのような声を出すかで印象が大きく左右されます。
低い声は暗い印象を与えますし、高い声は明るい印象を与えます。
対応内容によって適切な声を選ばなければなりません。

続いて言葉遣いも印象を大きく左右します。
強い口調は怒っているような印象を持たれますし、柔らかい口調は優しそうな印象を持たれやすくなります。

他にも聞き取りやすさを意識しましょう。
聞き取りやすいと好印象を与えるとは限りませんが、聞き取りにくいとイライラを募らせやすくなってしまいます。

電話が聞き取りにくいと、相手はイライラしてしまいます
電話が聞き取りにくいと、相手はイライラしてしまいます

電話の相手に好印象を与えるには声を意識する

電話対応で相手に好印象を与えるためには声の出し方が重要です。
意識して声を出すと、それだけで好印象に聞こえるものなのです。
具体的に意識してもらいたい2つの声の出し方をご説明します。

声の出し方1:口角を上げるようにする

口角を上げて声を出すようにしましょう。
口角を上げて話せば、声が響くようになり聞き取りやすくなります。

これは口角を上げて話すと「共鳴腔」と呼ばれる、声が反響する空洞ができ音が響きやすくなるからです。
ボイトレなどでも使われる手法ですので、電話対応でも積極的に取り入れたいものです。

また、口角を上げると表情が笑顔になります。
笑顔で話せば声も明るくなり、聞き取りやすさと合わせて印象を良くします。

主な共鳴腔
主な共鳴腔

声の出し方2:声のトーンを普段より半音上げる

電話は相手の声が少し低く聞こえてしまいます。
そのため、普段より半音高い声で話すようにすると丁度よく聞こえます。

現在はある程度改善されていますが、スピーカーなどの都合で声が低く聞こえるのはやむを得ません。
そのため電話対応する際は、意識的に声のトーンを半音上げるのが理想的です。

なお、あまりに高い声を出すと逆に不自然な印象を与えます。
また、自分の喉に過度な負担をかけてしまったり滑舌が悪くなったりする原因となります。
普段より少し高い「半音」を意識するだけで大丈夫です。

電話で好印象を与えるポイント

純粋な声の出し方だけではなく、話し方全体も電話の印象を左右します。
続いては、電話で好印象を与える話し方のポイントについて解説します。

ポイント1:落ち着いて滑舌をよくする

滑舌が悪いと電話の印象が悪くなります。
できるだけ落ち着いて、滑舌よくハキハキと話すようにしましょう。

滑舌が悪いと相手に聞き取ってもらえないため、同じ話を何度もしなければならなくなります。
これは言うまでもなく印象が悪くなってしまいます。
クレームや急ぎの問い合わせだった場合は尚更です。

ハキハキと滑舌良く対応すれば、相手に一度で理解してもらえます。
さらにハキハキしているということは、それだけで好印象を持たれやすくなります。
時間が無駄にならない上に印象も良くなりますので、まずはできるだけハキハキと話すべきです。

ポイント2:会話に抑揚をつける

抑揚をつけるようにしましょう。
例えコールセンターであっても、機械的な会話は避けなければなりません。

最近は自動音声でも人間に近いような抑揚がつけられています。
これは抑揚がつくことで、「気持ちを込めて伝えようとしてくれている」「しっかりと話を聞いてくれている」など好印象を与えられるからです。
自動音声の機械的で素っ気ない部分を補おうとしているわけです。

人間も同様に抑揚をつけて話せば、上記のような好印象を与えられます。
逆に人間でも淡々と棒読みをすると、機械的・素っ気ないといった悪い印象を与える可能性があります。
多少意識してでも、抑揚はつけた方が良いでしょう。

ポイント3:声量を出しすぎない

聞き取りやすく話すために、大きめの声で話すのは重要です。
小さな声で話すと電話越しではボソボソと聞こえてしまい、暗い印象を持たれてしまいます。

ただし、大声で話せば良いというわけではありません。
あまりに大きな声だと相手は驚いてしまいますし、音声が割れるなどして、結局は聞き取りづらくなってしまいます。

重要なのは普段の会話よりも少し大きめの声で話すことです。
電話の聞こえ方は相手の電話環境に左右されますので、毎回同じ声の出し方が正解とは限りません。
まずは少し大きめの声で対応し、相手の反応を伺って声の量を調節すると良いでしょう。

電話の声は大きければ良いというものではありません
電話の声は大きければ良いというものではありません

電話対応マナー

どんなに聞き取りやすい声で話しても、電話対応のマナーが悪いと台無しです。
電話対応のレベルをさらに上げるために、最低限意識しておくべきマナーをピックアップしてご説明します。

電話対応マナー1:数コール以内で電話をとる

可能な限り電話は数コール以内にとるようにしましょう。
あまり長くコールが鳴り続けると「電話に出てもらえないのではないか」と不安にさせてしまったり、「どうして電話に出てくれないんだ」と怒りの感情を呼び起こしてしまいます。

ただ、どうしても電話に出るのが遅くなってしまうことはあります。
遅くなってしまった場合は、開口一番に「お待たせしました」と添えましょう。
この一言があるかないかで、印象は大きく違ってきます。

電話対応マナー2:終了する際は丁寧に切る

電話を終了する際は丁寧に切るよう心がけましょう。
雑に受話器を置いてしまうと電話口で大きな音が鳴り、電話を雑に切ったことが相手に伝わってしまいます。

無難なのは相手が電話を切ってからこちらも電話を切ることです。
そうすれば、こちらがどのように電話を切ったのかは相手に伝わりません。

ただ、相手が切るのを待っているとお見合い状態になることもあります。
そうなってしまった場合は受話器を直接電話機に戻すのではなく、手でフックを押して電話を切ってから、受話器を戻すようにしましょう。

受話器を直接電話機に戻した時に、受話器が本体とぶつかり「ガチャ」と音が鳴ります。
この音が、相手に不快感を与えてしまう可能性があるのです。

電話を切る時はフックを押してから
電話を切る時はフックを押してから

電話対応マナー3:復唱して確認する

電話対応をする際は、必ず復唱して確認をしましょう。
後から認識齟齬が発覚し、確認や訂正に無駄に時間を消費する・・・などということにならないためにも、自分の説明・理解が相手にも同じように伝わっているか、復唱しながら確認します。

ただし全ての内容を復唱する必要はありません。
例えば電話を取り次ぐ際は「所属会社や氏名」を復唱して確認すると良いでしょう。
また用件によっては、上記に加えて「折り返す際の連絡先や伝言内容」も復唱での確認が必要です。

なお、伝言を承る際は、プラスアルファで自分の部署や名前を伝えておきます。
そうすることで「誰に伝言を依頼したのかわからない」という相手のモヤモヤ感を払拭する、一歩上の電話対応を実現することができます。

まとめ:電話の印象を良くするためには声を改善するだけ

電話の印象を良くするために難しい方法をとる必要はありません。
まずは意識的に声を改善する所から始めるだけで大丈夫です。
今回ご説明したようなポイントを意識すれば、それだけで電話の印象は大きく変えられます。

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