SNSの興隆と共に顧客サポートのあり方も変化しました。
その代表的な例が「アクティブサポート」の登場です。
アクティブサポートとはどういうものか?
そしてどのような意味があるのか?を解説します。


アクティブサポートとは?

顧客サポートと言えば従来から、カスタマーセンターに入ってくる電話やメールでの問い合わせや苦情に対応するスタイルが主流です。
TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)の登場によって、例えば企業のTwitterアカウントにリプライで問い合わせ/苦情が届く場合があります。
そういった問い合わせに答える場合でも、問い合わせのルートが電話やメールからTwitterに変わっただけで、「届いた問い合わせに対して対応する」という意味では従来の顧客サポートの範疇に入るものです。
このような「待ち」の形態の顧客サポートは「パッシブサポート」呼ばれます。

一方「アクティブサポート」は、”積極的な”などの意味を持ち、顧客がSNS上で行っている自社の製品やサービスに関する発言を見つけ出して、それに対し企業が積極的に応えていく方法の顧客サポートです。
そのSNS上での発言が特に企業に対して行った問い合わせではないことが、パッシブサポートとの大きな違いです。

例えば、「昨日◯◯買ったんだけど△△のやり方が分からないよー」のようなTwitterなどの発言に対して「□□の公式アカウントです。使い方が分かりづらく申し訳ございません。
△△に関しては電源ボタンのすぐ横のメニューボタンを押してメニューを呼び出し、メニュー内の△△を選択いただけますでしょうか。」などのような発言をすることでサポートを行います。

このようなアクティブサポートを行うためには、まず自社製品に対する発言がどこでどのように行われているのかを知る必要があります。
これにはさまざまなSNS検索ツールやアクティブサポート用の自動検知ツールなどが用いられます。

アクティブサポートは、特に自社に対して問い合わせしたのではない顧客に対して、こちらから積極的に相手の発言に対して応える方法です。
従ってこちらが反応するタイミングを注意深く見極める必要があります。

対話のキャッチボールが早すぎるとチャットのようになってしまいますし、遅すぎると機を逸してしまいます。
また、早急に対応が必要なトラブルなどの場合は、カスタマーセンターで集中的に対応した方が効率が良いため、通常はらそちらへ誘導やエスカレーションを行います。


なぜアクティブサポートか?

それではなぜ、わざわざ問い合わせもしていない消費者や顧客に対してアクティブサポートで対応する必要があるのでしょうか?
それを理解するには、「サイレントマジョリティ」=「物言わぬ消費者」の存在を知る必要があります。

商品に対する不満や疑問を感じていても、不満を申し立てたり問い合わせたりする顧客は実は全体のほんの一部です。
多くの顧客は、疑問や不満を持ちながらもそのままの状態で放置しています。
それがサイレントマジョリティ(物言わぬ消費者)です。

例えばカスタマーセンターに入った問い合わせやクレーム内容を分析して、商品の改善すべき点を見つけ出そうとしても、実はそれは顧客の一部の意見でしかないということです。

例えばカスタマーセンターに入った問い合わせやクレーム内容を分析して、商品の改善すべき点を見つけ出そうとしても、実はそれは顧客の一部の意見でしかないということです。

そしてさらにそのようなSNS上での発言に対して積極的に働きかけることで、今まであまり接点のなかったサイレントマジョリティ層を含めた顧客層との接点を積極的に開こうとするのがアクティブサポートです。

そして、サイレントマジョリティの中には、商品に不満や疑問を持ちながらも特にその解決や改善を望むことなくそのまま黙ってそのまま去っていく顧客が少なからず存在します。
そのような状態の顧客を1人でも2人でも見つけ出して課題を解決し離反を防ぐこと、さらに積極的に疑問や不満を解消することで自社に対するロイヤルティを上げること、アクティブサポートはそのような役割も持っています。

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