2016年4月にFacebookが専用のプラットフォームを発表し、さらに注目を集めるようになったチャットボット。
今回はチャットボットとはそもそもどのようなものなのか?
どのような使い方ができるのか?について解説します。
チャットボットとは
チャットボットとは、「チャット(テキストでのリアルタイムの会話)」と、「ボット(ロボット)」を組み合わせた造語です。
すなわちテキストでのリアルタムの会話を、人間に変わって機械が行うことです。
今日ではその機械の部分にAIが使われることが多いので、チャットボットは「AIによるテキストでのリアルタイムの会話によって、さまざまなサービスを提供すること」を意味します。
チャットボットを実現させるための仕組み/環境
チャットボットには、テキストメッセージをやり取りするインフラと、正確で流暢に会話を成立させる頭脳としてのAIや、それの相当するチャットボット用のAPIなどが必要になります。
メッセージングのためのインフラについては、LINEやFacebookメッセンジャーなどの既存のアプリや機能を使う場合と、独自のアプリを新たに開発する場合、およびWebサイト上で直接テキストをやり取りするパターンがあり、そのチャットボットを提供する企業などの目的や意図によって適切なものが選択されます。
そしてチャットボットの技術面のポイントは、やはり会話を成立させるためのAIなどの精度です。
少なくとも正しい会話が成立しないことには、チャットボットとしては機能できません。
「ユーザーの発言を認識してどのような返答をするか?」を判断する方法には何通りかの種類があります。
単純なパターンマッチングのif-then-else型や、多くの会話ログデータベースをあらかじめ登録しておき、その中から最も類似度の高い返信分を返す方法、また、あらかじめ返信文は用意せずに、インプットのテキストからそれにふさわしい文章をニュラールネットワークなどの手法を使って新たに生成する、生成モデル型などがあります。
チャットボットのメリット
それではチャットボットを使うメリットはどのようなものでしょうか。
ユーザー視点では、さまざまなサービスが簡単に利用できたり、情報収集が簡単にできたりするメリットがあります。
例えば特定の通販商品の在庫を確認したい場合、従来はECサイトなどでその商品を検索して探し出した上で、商品詳細画面などを見て在庫有無を確認する、という行為が必要でした。
チャットボットを使うと「今、○○の商品の在庫はある?」と尋ねるだけですぐ回答が返ってくるかもしれません。
企業にとってのメリットは、ユーザーの囲い込みが可能になることです。
上記のとおり、ユーザーがチャットボットを利用する場合は、特定のメッセージアプリや専用アプリを準備する必要があります。
SNSなどでのオープンなコミュニケーションではなく、特定のメッセージアプリや専用アプリという閉じた世界の中で、ユーザーの囲い込みがやりやすくなります。
もちろんそのサービス自体の魅力も必要です。
また、Web上で直接提供されているチャットボットは、顧客の疑問を解消するためのFAQなどで利用されていることが多いのですが、その場合は顧客サポートの品質向上やコスト削減が期待できます。
チャットボットの事例
国内でもチャットボットの事例が増えてきました。
何例かご紹介しておきましょう。
ドミノ・ピザ
LINEを使って会話形式ピザの注文ができるチャットボットです。
ユーザーのLINEアカウントを連携することでピザの注文が可能になります。
パン田一郎
リクルートジョブズのアルバイト情報を提供してくれるチャットボットです。
CMでもおなじみのパンダのキャラクターが情報を届けるという設定になっており、給与計算ができたり、世間話(無駄話)ができたりする機能も持っています。
これもLINEを使用しています。
りんな
マイクロソフトが展開しているチャットボットです。
注文や情報提供などの特定の機能は持っておらず、会話のためのチャットボットです。
そういう意味では正確にはチャットボットではなく、会話用(雑談用)AIと呼んだほうがよいかもしれません。
少し毛色が違っていますが、チャットボットで重要な「テキストによる会話」について考えさせられることがありますので、ここでご紹介させていただきます。
LINEやTwitterなどで利用できます。