ビジネス用語に「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」があります。
これらは異なった意味を持つ言葉なのですが、発音が似ていることから同一視されてしまう場合があります。
しかし、言うまでもなくこれらを誤って認識することはあってはなりません。
正しくビジネス用語を利用するためにも、ロイヤリティとロイヤルティの違いを理解しましょう。


ロイヤリティとは

ロイヤリティとは「著作権・商標権・特許権などを利用する際に、権利者に対して支払う対価」を指すビジネス用語です。
ビジネスの場で利用される「著作権料」や「ライセンス料」などは、このロイヤリティに該当するケースが大半です。

ロイヤリティは「ロイヤルティ」と発音する単語ではありません。
しかし、誤った発音で利用する人がいるのも事実です。
正しい認識を持つようにしましょう。


ロイヤルティとは

ロイヤルティとは従業員や消費者が「企業」や「製品」に対して持つ愛着や忠誠心などを指すビジネス用語です。
目に見えるものではなく、基本的には感情を指しています。

ロイヤルティには「顧客ロイヤルティ」と「従業員ロイヤルティ」があります。
前者は顧客が特定の企業や製品に対して抱く愛着心です。
後者は従業員が自社に対して抱く忠誠心です。
まとめてロイヤルティと表現されますが、感情を抱く対象がやや異なりますので、別々のものと考えます。


ロイヤルティの5つの思考段階

ロイヤルティには以下のとおり5つの思考段階があります。

  1. 同等の選択肢が市場にない(例:その企業でしか扱えない製品)
  2. 流れ作業的な選択(例:勤めて5年立つから今後もそのまま勤務)
  3. 時間的・金銭的犠牲や発生リスクによる妥協(例:他の製品を利用したいが近くに取り扱いがなく類似品で妥協)
  4. 愛着や忠誠心(例:自分なりに納得できる購入理由のある商品)
  5. 自発的な行動(例:特定の製品を購入するためなら遠方でも出向く)


ロイヤルティの思考段階には、自発的で積極的な行動から自発的ではない妥協的な行動まであります。
自発的であるほどロイヤルティが高いと考えられ、自発的ではないほどロイヤルティが低く企業から見るとリスクだと考えられます。
企業としては自発的な行動をとってもらえるような活動が必要です。
顧客に対してアプローチをしたり従業員に対して手厚いサポートをしたりしなければなりません。


ロイヤルティ向上のメリット

ロイヤルティ向上によるメリットは、顧客ロイヤルティと従業員ロイヤルティで内容が異なります。

まず顧客ロイヤルティ向上によるメリットは以下が挙げられます。

  • 顧客単価や売上高の上昇
  • リピート率の上昇
  • 口コミなどによる認知度アップ


顧客ロイヤルティが向上すると、顧客単価の上昇が見込まれます。
製品を積極的に購入してくれる人が増えますので、それだけ高い単価が期待できるのです。
また、そのような人達が口コミを広げてくれることで、商品の認知度アップにも繋がります。

続いて従業員ロイヤルティ向上によるメリットは以下が挙げられます。

  • 離職率の低下や勤続年数の向上
  • 商品やサービス品質の向上
  • 顧客満足度のアップ
  • 人材育成の効率化


従業員ロイヤルティが向上すると、離職率が低下します。
会社に対して忠誠心を持っていますので、転職はせず今の会社で長く働いてくれるのです。
また、従業員ロイヤルティの高い従業員は、現状に満足しています。
結果「会社のために良いことをする」との考えが生まれ、仕事の品質向上にもつながります。


ロイヤルティを向上させる方法

ロイヤルティを向上させるためには以下の活動が重要です。

  • 顧客や従業員の意見を積極的に受け入れる
  • 指摘された問題の原因を突き止める
  • 企業としての課題があれば積極的に解決する


重要視しなければならないのは、顧客に対しても従業員に対しても広く意見を受け入れることです。
どちらの場合も話を聞くようにしなければロイヤルティは高められません。
「話のできない企業」と思われてしまうと終わりです。

ただ、話を聞くだけで良いわけはありません。
指摘事項があればそれを解決していく姿勢が必要です。
根本的な原因を突き止め、それを踏まえて対応策を立て実行していかなければなりません。


まとめ

最初に理解しておいてもらいたいのはロイヤリティとロイヤルティは意味が違う点です。
似たような言葉ではありますが、ビジネスの場で誤って利用すると話が噛み合いません。

ロイヤルティを向上させると、企業にとって様々なメリットを生み出します。
そのため、顧客に対しても従業員に対してもロイヤルティは高めていくべきです。
それぞれが持つ不満などの意見の吸い上げ、適切な改善活動が求められます。

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