顧客サポートというと、まず電話を思い浮べるのではないでしょうか。

懇切丁寧な電話対応は、企業や商品ブランドのイメージを向上させます。
購入前の疑問を解消し、購入後のお客様に満足していただき、リピーターや商品のファンになってもらう大切な業務です。

本コラムでは、電話と比較して、オペレーターにおけるメールとチャットの3つのメリットを考察します。


最近のコミュニケーションは、電話からチャットやメールの「テキストによるコミュニケーション」中心に推移しつつあるようです。
日本で代表的なLINEは国内で月間6,600万人以上ものアクティブユーザー数を誇ります。
(2016年12月時点)

若い世代を中心に40代以上にも利用されています。

そこで、サポート業務にチャットを取り入れる企業が急速に増加しました。
テキストによるコミュニケーションは、音声にはない優位性や特性があるからです。


理由その1:ストレスを軽減して品質を維持できること

電話によるサポートは、途中で切るわけにはいきません。
ひどいクレームでも、ヘトヘトになるまで対応する必要があります。
AHT(平均処理時間)を短縮して応答数を増やすことは大切ですが、ひとりあたりの応答時間を減らすと、満足度を低下させる場合があるので注意が必要です。

しかし、メールの場合は余裕を持って、テンプレートを使って複数の問い合わせの準備ができます。
感情的なニュアンスを削ぎ落とすことができるテキストは、電話のような動揺、困惑、イライラが伝わりにくい特長があります。
誤解を生みそうな返信には、スーパーバイザーが事前にチェックを入れることができます。

オペレーター個人の応答に問題があった場合、電話サポートでは、オペレーターの対応した録音をすべて聞かなければ指導できません。
即時的なチャットでは禁句を設定して、不当に発言しないようにブロックできます。
チャットルームを監視して、サポート品質の維持も可能です。


理由その2:データの加工や再利用がカンタン

電話サポートの場合、応答内容や申し送り事項などをキーボードで入力する後処理があります。
煩雑な作業です。
しかし、メールやチャットは、応答内容そのものがテキストなので、入力する手間が省けます。

電話サポートはスクリプトを作成し、適宜修正を加えていきます。
コール中に気づいたノウハウは、記録やミーティングで共有しなければ暗黙知のままです。
一方、メールやチャットはテキスト情報を共有しやすく、模範解答をコピー&ペーストで利用できます。


理由その3:人材不足を補い、人材教育の時間を短縮できる

沖縄は企業誘致により76社のコールセンターがあり、1万7,404人が働く日本でもトップクラスのサポート産業エリアです。
しかし、離職率は4割とのこと。
(『平成27年度 沖縄におけるコールセンターの現状調査 調査報告書』)

派遣社員やアルバイト中心の雇用形態にも問題がありそうですが、人材の流出が激しい場合、現場のノウハウを蓄積し、人材教育の時間を短縮すべきでしょう。
テキストとして履歴の残るメールやチャットの場合、引き継ぎの書類を作成しなくても、履歴を追って業務を修得できます。

人工知能を搭載したチャットボットも人材不足を解消する強い味方です。


まとめ:それぞれのメリットを理解して活用を

メールやチャットによって、サポート業務を効率化できます。
しかし、問い合わせをしたお客様は「なんだか機械的な対応だな」と感じることがあるかもしれません。

したがって、大切なお客様や複雑なクレームには、電話による「人間のあたたかさ」が感じられる応答も大切にしましょう。

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