チャットサポートを行う目的は、自社Webサイトを訪問したお客さまが気軽に問い合わせできる環境を作ることで、自社製品やサービスの注文、申し込みを促したり、またそれにつながるような興味や好感を持っていただくことです。

今回は、そのようなチャットサポートの本来の目的を達成するために必要なチャットサポート対応の際のポイントについてお伝えします。


チャットサポートの強み

チャットサポートの最大の特長は、Webサイト上から直接問い合わせができ、しかもリアルタイムのコミュニケーションができることです。

消費者の立場で見れば、訊きたいことがあればすぐに問い合わせでき、疑問が早々に解決できるのが大きなメリット。
サービス提供者の企業側から言えば、消費者から気軽に問い合わせしてもらえる環境を作り、Web上でリアルタイムにコミュニケーションすることで、自社Webサイトの訪問者を、より多く注文や申し込みなどに誘導できることが大きなメリットです。
言い換えると、訪問したのはよいが何もしないでサイトを離れていく、いわゆるサイト離脱者を減らすこと、取り逃がしを防ぐことができます。

また、問い合わせを効率的に処理することは、サポート品質を向上させ、自社への信頼感やブランド力を上げることにもつながります。

しかし、仮にチャットサポートツールを設置して仕組みを整えただけでは大きな成果は望めません。
お客さまからの問い合わせに対してどのように対応するかによってその成果は大きく異なります。


チャットサポートの強みを生かして成果を上げる

それではどのように対応すればチャットサポートでより多くの成果を上げることができるのかを見ていきましょう。

チャットサポートの一番の強みはリアルタイム性です。
だからこそWebサイト訪問客が気軽に問い合わせをしてきてくれ、それをきっかけに訪問客と直接の接点を設けることができます。
電話による問い合わせもリアルタイム性はありますが、Webサイト上で直接コミュニケーションすることができません。
またメールはリアルタイム性がありません。

従ってチャットサポートの強みを最大限に活かすためには、リアルタイム性を担保しながら、サイトからの直接的な問い合わせに的確に対応できるような体制を整えることが重要なポイントになります。

運用コストに余裕があれば、量的にも質的にも潤沢な人材を確保すれば問題は解決するかもしれませんが、それでは投資対効果が悪くなるでしょう。
品質を維持または向上させながら、なおかつ効率良くチャット対応を実施するには、問い合わせの内容に従って対応方法を変えたり対応者を配置する方法が有効です。

例えば問い合わせ内容を、製品やサービスに対する「単純な問い合わせ」、「条件などがある複雑な問い合わせ」、「購入相談などの営業的な用件」の3つに分類し、それぞれの対応方法、対応者を以下のようにします。

単純な問い合わせ

サイズや色、電気製品のスペックなど単純問い合わせは、比較的単純なパータンで判断できますので、チャットツールを使ってチャットBOT(AIなどによる自動応答)に対応させるのがベストです。
人間が対応せずに機械(AI)が対応すると聞くと問い合わせ者に対して失礼にあたるように思われるかもしれません。
しかし精度の高いBOTであれば迅速かつ自然な対応が可能ですので、必ずしもお客さまに不快な思いをさせることにはなりません。
(音声の場合はまだまだ不自然ですが、チャットなどの文章の場合はかなり自然な文を生成することができます。)

条件などがある複雑な問い合わせ

製品問い合わせでも限定条件や制約条件などがある場合、例えば「○○の条件で使った場合の性能はどうなのか?」などの問い合わせはチャットBOTでの対応は困難です。
従って人が対応することになりますが、それでも比較的簡単なトレーニングで対応することができますので、主に新人スタッフが対応します。
スタッフを育成する場にもなります。

購入相談などの営業的な用件

購入相談は、お客さまの要望に適した機種やサービス内容の選定などの最も高度な知識と、販売に結びつけるための機敏さや交渉力を必要とします。
従って最もスキルの高いスタッフ層が対応するのが良いでしょう。
チャットサポートの大きな目的でもあるコンバージョン率向上へ直接貢献するという大きな役割を担うことになりますので、プライドを持って業務にあたっていただくことになります。

問い合わせ内容は製品やサービスによって異なります。
従って上記はあくまで一例ですが、適材適所によってさまざまなリソースを効率的に活用することが、自社および消費者双方の利益につながります。

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