メール対応にはそれ独特の特徴があります。
それらを正しく認識しておかなければ、相手とうまくコミュニケーションが取れなかったり思わぬトラブルに遭遇してしまいます。

今回は注意が必要なメール対応の特性について解説します。


テキストによるコミュニケーションである

メールはテキスト(文書)を相手とやり取りすることによって行うコミュニケーションです。
テキストの利点は、正確に情報伝達できたり、一度に多くの情報を伝えることができる点。
内容だけではなく、見出しや段落、箇条書きなどの視覚的要素によって伝えようとしている事柄の(論理的)構造を表現/伝達することも可能ですので、複雑な内容であっても相手にうまく伝えることができます。

しかし、相手に伝わりやすいということは同時に伝え方を間違うと大きな誤解を生む危険性があるということです。
さらに対面や電話の場合と違って、その場で相手の理解度や伝わった内容を確認することができませんので、もし誤解を招いていたとしてもそれをすぐに解消するということができない点もメールでのコミュニケーションの難しいところです。

また、もし間違った情報提供をしてしまった場合に、その情報が残ってしまうということもメール対応を難しくさせる点です。
必要以上に臆する必要がありませんが、メール対応は「失敗に対してのリスクが高い」と言うことはできます。
そのようなリスクを低減させるために、近年は通常のビジネスメールの際にでも「送信した情報の完全性を保証しない」などの免責文言を入れるケースも見受けられます。


リアルタイムで成立しない

もう1つの大きな特徴が、電話や対面と違ってリアルタイムで成立するコミュニケーションではないということです。
メールコミュニケーションの際に発生する時間差は、さまざまなメリットやデメリットを生み出します。

例えば、メールでは相手は好きな時間にメールを読んで必要と判断した時だけ返信をすれば良いので、相手の時間をあえて拘束しないというメリットがあります。
しかし、相手がこちらのメールを確認したのか、いつ確認するのかなどの予測がつかず、場合によっては無視されたり、忘れ去られたりする場合も発生します。
従って「緻密な」コミュニケーションを行うためには適切な管理が必要になります。
これはお客様サポートの観点から言うと、1本1本のメールのインシデント管理をしっかり行わなければ、対応漏れや不適切なタイミングでの対応などが発生するリスクがあるということになります。

また、メール対応では、確認事項が発生した場合には何度もメールをやり取りすることになり、問題解決までの時間が予想以上に掛かってしまう場合があります。
このように解決に時間を要することで問題をさらに悪化させるリスクがあることも認識しておく必要があります。


間接的なコミュニケーションである

さらにもう1つ、メールは「間接的なコミュニケーション」です。
(これは上で述べた2点、テキストで伝えることと時間差が発生することの結果です)

間接的であることは必ずしも悪いことではなく、例えば自分からコミュニケーションを取るのが苦手な方でも、メールなどの間接的な方法なら気軽にコミュニケーションできるというメリットがあります。
また、間接的なコミュニケーションの特徴をうまく生かして直接言いにくい苦言や意見などの「相手の本音」を聞き出したり、逆に普段は言いにくい意見を相手に言ってしまうこともできます。

しかし、間接的であるがゆえにお互いの意図や気持ちが伝わりにくいところは注意すべき点です。
伝えたい「内容」はテキストで伝えるので比較的正確に伝わるのですが、その背景にある意図や気持ちはテキストではなかなか伝わらないものです。
さらに意図や気持ちをどれだけテキストで表現すべきかを判断するのも、特にビジネスコミュニケーションにおいては難しいものです。
肝心なのはメリハリを付けて、伝わりにくいと判断される箇所については、その背景にある意図なども丁寧に説明し、ミスコミュニケーションを防ぐよう努力することです。

また、間接的で気軽にコミュニケーションができるがゆえに、やり取りが粗雑になってしまう場合もありますので、極力繊細なコミュニケーションを心がけることも必要です。