エンゲージメントとは
エンゲージメントは状況によって意味が異なる言葉です。
直訳すると「約束」や「契約」との意味ですが、企業活動では概ね以下の意味で利用されます。
- マーケティングによって企業と顧客のつながりを強固にする
- 従業員と会社とのつながりを強固にする
特に従業員と会社との繋がりについては、「従業員エンゲージメント」と呼ばれており、この記事では「従業員エンゲージメント」について解説します。
従業員エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントを簡単に表すと「従業員が会社をどれだけ信頼しているか・どれだけ愛着を持っているか」です。
つまり、従業員と会社の関係性を指しています。
今までの日本は終身雇用が広く普及していました。
そのため、就業年数が長くなるにつれて信頼度合いが高まり愛着も深まるものでした。
自然と従業員エンゲージメントは高まるものだったのです。
しかし、現在は終身雇用が崩壊しつつあります。
人の出入りが激しい状況ですので、人材をつなぎとめておけるかを左右する、従業員エンゲージメントが重要視されています。
従業員エンゲージメントを高めるメリット
サービスレベルが向上する
従業員エンゲージメントが高い人は「この企業に貢献したい」と考えている状態です。
そのため、従業員の仕事に対するモチベーションがあがり、サービスレベルが向上しやすくなります。
また、サービスレベルが向上すると、顧客満足度も向上しやすくなります。
従業員の満足度を高めることが、顧客の満足度を高めることにもつながるのです。
離職率が低下する
従業員エンゲージメントを高めていると「会社に対する愛着」が強くなります。
従業員と会社との信頼関係も構築できていますので、転職を思い浮かべた従業員も繋ぎとめておける可能性が高まります。
実際、モチベーションエンジニアリング研究所が2019年に発表した研究結果では、従業員エンゲージメントが高い企業ほど退職率が低いことが示されています。
「同じ人に長く働いてもらう」との観点で従業員エンゲージメントには意味があります。
業績が上がる
サービスレベルが上がり離職率が下がれば、常に高いレベルのサービスを提供できます。
結果、業績が上がりやすくなるメリットがあります。
従業員エンゲージメントの向上が、直接業績につながるとは言えません。
しかし、従業員エンゲージメントを高めておくと、副産物のように業績アップが見込めます。
従業員エンゲージメントを高める方法
ワークライフバランスを取りやすくする
最近はワークライフバランスを重要視する従業員が増えています。
従業員エンゲージメントを高めるためには、ここから対策をすると良いでしょう。
ワークライフバランスを高めるためには
- フレックス制度
- 休暇を取りやすい環境づくり
- 在宅勤務制度
- 育児休暇制度の拡充
などの施策が良いでしょう。
ある程度自分のペースで働ける環境づくりが、従業員エンゲージメントの向上につながります。
コミュニケーションを取りやすくする
社内でコミュニケーションを取れるかどうかは、従業員のメンタルを大きく左右します。
コミュニケーションの取りにくい職場は窮屈に感じ、従業員エンゲージメントが下がる原因となりかねません。
コミュニケーションをとりやすい環境づくりとして
- 社内に共用の休憩スペースを作る
- ランチミーティングの費用を補助する
などが挙げられます。
強制的なコミュニケーションは逆効果ですが、組織に縛られないコミュニケーションを取れるようにしてみましょう。
人事評価制度を明確にする
人事評価制度が明確でなければ「自分がどの程度会社に貢献できているのか」を判断できなくなります。
結果、「頑張っても評価されない」「頑張っても貢献できていない」と感じる従業員が生まれてしまいます。
そのような従業員は従業員エンゲージメントが下がってしまいます。
このような事態を避けるために、人事評価制度は明確にしなければなりません。
まとめ
従業員エンゲージメントは、従業員と会社との関係性を示しています。
従業員エンゲージメントが高いほど、良い関係が築けているのです。
良い関係が築けていれば、従業員のモチベーションが上がります。
結果、仕事の品質が上がったり離職率が下がったりするなどのメリットを生み出します。