カスタマーサポートの品質は顧客の満足度を大きく左右します。
そのため、品質を評価するためにKPIを設定し、その達成状況を評価しなければなりません。
今回はカスタマーサポートの品質を評価できるように、KPIの設定方法について解説します。
カスタマーサポートにおけるKPIとは
カスタマーサポートのKPIはサービスの品質を示します。
KPIを正しく設定し達成できていれば、それは品質の高いサービスと言えます。
逆に達成できていない項目が多ければ、改善点が多いサービスだと言えます。
ただ、カスタマーサポートはカスタマーサクセスを左右する要素です。
そのため、品質を評価する指標ではあるものの、カスタマーサクセスなど副次的な要素についても評価する数値であると捉えておきましょう。
カスタマーサポートにおけるKPIで設定するべきもの
課題解決率
カスタマーサポートの中でも特に重要なKPIです。
受け付けた問い合わせが最終的にどの程度解決したかを割合で表現します。
基本的にカスタマーサポートは、問い合わせに全て回答する必要があります。
そのためKPI は100%とするべきでしょう。
一部の問い合わせを無視するようなKPIは設定できません。
ただ、そもそもカスタマーサポートが回答できないような無理難題が寄せられる可能性はあります。
そのため、KPIの集計対象をどのようにするかは、明確に定義しておかなければなりません。
また、課題解決までに要したやり取りの回数を重視するKPIもあります。
例えば「一次解決率」であれば、コールセンターなど最初の担当者だけで対応できたものだけを集計します。
課題応答時間
課題に応答するまでにどの程度の時間が必要になったのかを示します。
応答までの時間はカスタマーサポートの満足度を大きく左右する部分で、可能な限り早いに越したことはありません。
どの程度の時間で応答するべきかはサポートの内容によって異なります。
基本的には業務の内容などを踏まえSLA(Service Level Agreement)を定義しています。
そのため、ここでの定義内容を100%達成することをKPIとすれば良いでしょう。
課題解決時間
最終的に課題が解決するまでの時間が重要です。
仮に課題が解決したとしても、長時間待たされていては満足度が下がってしまいます。
言うまでもなく課題解決までの時間は短いに越したことがありません。
できるだけスムーズに解決して、必要以上にイライラ感を募らせないようにしなければなりません。
また、課題解決時間と同時に「課題の再オープン率」にもKPIを設定して注目する必要があります。
これはカスタマーサポートが一度クローズした課題を、再度の問い合わせでオープンした割合です。
クローズした課題が、実は解決していなかった状況を指します。
もし課題の再オープン率が高ければ、これはカスタマーサポートの回答内容が悪かったことを意味します。
つまり、是正すべき状況であり、品質向上のために状況をキャッチアップしなければならないものです。
処理時間
カスタマーサポートが一回あたりの対応に要する時間です。
こちらも課題解決時間と併せて短時間のKPIを設定するべきです。
なお、処理時間の定義は曖昧ですが、コールセンターなら「通話の開始から終了まで」と「通話終了後に対応事項があった場合はそれも含む」だと考えましょう。
基本的に処理時間のKPIは短く設定するべきです。
ダラダラと対応していては対応の満足度が下がりますし、人件費も無駄に要してしまいます。
ただ、あまりに短いKPIを設定すると、KPI達成のために満足度の低い対応をする可能性が高まります。
そのため、満足度を下げずに人件費を抑えられるポイントを設定すべきです。
なお、処理時間のKPIを短くすると、カスタマーサポート担当者に負荷がかかりやすくなります。
結果、精神的な負担が大きくなり、対応の品質を下げる原因となりかねません。
カスタマーサポートが目指すべきもの
カスタマーサポートはあくまでも疑問などの課題を解決することが一番重要です。
そのため、KPIはこの課題解決でいかに満足してもらうかを念頭に置いて設定する必要があります。
「人件費」「回転率」など、企業の一方的な都合で設定するのは望ましくありません。
問い合わせの内容は必ずしも悪いものとは限りません。
しかし、カスタマーサポートの対応が悪ければクレームにつながってしまいます。
無駄なクレームを産まないために、KPIという指標を設け対応するように心がけましょう。
まとめ
カスタマーサポートが設定すべきKPIについて解説しました。
言われてみれば当たり前の数値が多いですが、客観的に評価するためにKPIを設定しておきましょう。
経営的にはKPIの設定は必要ですが、その数値がカスタマーサポートの業務に悪影響を与えてはいけません。
あくまでもサポートの満足度を重要視し、その中でいかに業務を効率化できるのかという観点で数値を設定しましょう。