企業のサービスデスクは複数人で運営されていることが多々あります。
社内のサポートデスクであれば一人で対応していることもあるようですが、サービスとして受注するサービスデスクは複数人で対応するものです。
複数人で対応するとメリットが多々生まれます。
その反面、適切に課題管理をしなければ無駄が生じやすくなってしまうのも事実です。
以下では複数人で対応するサービスデスクが、スムーズに業務を進める方法についてご説明します。
複数人で受付するサービスデスクは課題管理のスキルが問われる
サービスデスクは複数人で受付をすることが大半です。
そのため、受付した内容を適切に処理する課題管理のスキルが問われています。
特に複数人がそれぞれ問い合わせに対応すると、課題管理のスキルが不足していることでロスが生まれやすい事実があります。
ロスの例としては以下のものが考えられます。
- 過去に起こったトラブルに複数回対応してしまう
- 同時に起こったトラブルに並行して対応してしまう
- 担当者を決定できず初動が遅れてしまう
これらを解決するためのツールとして「Redmine」など有名なものも存在しています。
ただ、ツールを利用するにあたり構築に手間が必要となったり費用が必要となったりしますので、メリット/デメリットがあります。
つまり、ツールに頼るのではなく根本的な課題管理のスキルを持って解決しなければならないのが現実です。
複数人でもスムーズに対応できる課題管理法
複数人でもスムーズに対応できる課題管理法にはいくつかのコツがあります。
これを意識することで、課題管理に関連する業務がスムーズに進められるようになります。
以下で具体的に確認しましょう。
適切な課題管理表を用意する
複数人で課題を進めるためには適切な課題管理表が必要です。
これを中心に課題管理を進めなければなりません。
課題管理票の作り方はいくつもありますが、基本的にはプロジェクト管理の基礎となる「PMBOK」に準拠したものがおすすめです。
PMBOKはプロジェクトマネジメントの基本的な考え方が記載されている国際的な基準です。
この中に課題管理の手法についても定められています。
つまり、課題管理表に求められる項目などもここに定義されています。
ただ、複数人で運用するとなると多少不便な部分もあります。
その点は全員が利用しやすい項目にするなど、適時修正・変更は必要です。
なお、課題管理表の作成は表計算ソフトでも専用ソフトでも問題にはなりません。
使いやすいものを選択しましょう。
タスクスケジューリングする担当者を絞る
タスクスケジューリングする担当者は絞りましょう。
一般的に、受付者が担当者をアサインする流れで課題管理がされています。
また小規模なサービスデスクでは、受付者=担当者のような課題管理がされていることもあります。
このやり方では横のつながりが見えません。
そこで、タスクスケジューリングは担当者を絞り、スキルと課題内容を確認しながらアサインすることが大切です。
担当者を絞ることで、今までに発生したトラブルの類似性を推測できることがあります。
また、類似の課題が複数発生した場合には、複数の課題にまとめて担当者をアサインできることもあります。
また、スケジューリングをスムーズにするために、テーマ×重要度などの指標を利用することがコツです。
何かしらの指標を利用して課題を分類し、類似の課題が過去に発生していないかを確認しましょう。
過去に対応実績があればそれをベースに対応することで時間短縮が期待できます。
可能な限り並列でのスケジューリングをする
課題管理表を活用して、可能な限り担当者を並列にしてのスケジューリングをすることが重要です。
並列にスケジューリングするとは、担当者の偏りを減らし均等に割り振りをすることです。
例えば課題管理表から過去に対応した課題と類似である場合、同一の担当者をアサインしたくなるものです。
一般的にはこのほうが短時間で解決できると考えられています。
しかし、この運用は一人の担当者の負荷が高まり作業がスタックする可能性があります。
これを避けるため基本的に並列でスケジューリングをしなければなりません。
なお、並列でスケジューリングできる環境は意図的に作らなければなりません。
例えばナレッジを共有して、誰でも同様に対応できるようにするなどです。
環境はすぐに変更できませんが、並列でスケジューリングすることを意識した課題管理や課題の対応結果の共有法を確立しましょう。
課題管理の基本サイクルについても理解しておく
課題管理の基本サイクルも理解しておくことをおすすめします。
基本的なサイクルは以下のとおりです。
タスクプランニング→タスクスケジューリング→進捗管理→タスクの学習・改善・標準化
特に重要なのはタスクの標準化です。
これはナレッジの共有にも近い部分であり、標準化することで複数人でも1つの情報さえ参照すれば課題の解決ができるようになります。
課題への対応時間が短くなり、課題が多く発生している状況でもスムーズに対応しやすくなります。