「社内で不在担当者に電話する機会が増え、通話料が高騰してきた」
「社員から『電話の取次業務を効率化してほしい』という要望があがっている」
など、テレワーク増加に伴い会社内で働く機会が減る中、企業の電話のあり方が変化しています。
そのような中注目を集めているのが、FMCというスマホを内線化させるサービスです。
この記事では、業務効率化に必要なFMCサービスやクラウドPBXについて解説します。
FMCとは
FMCとは「Fixed-Mobile Convergence」の略で、「固定電話と携帯電話の融合」という意味です。
固定電話と携帯電話を連携し、スマホなどの携帯端末をオフィスの内線電話として使用できるサービスです。
具体的には、以下のようなことが可能になります。
・会社にかかってきた電話を、社員が持つ携帯電話に転送する ・会社の固定電話と社員の携帯電話間の通話を、外線通話ではなく内線通話扱いとする ・携帯電話から電話をかけるとき、会社の電話番号を通知することができる
以前より、オフィスでは以下のような課題がありました。
- 担当者が外出中の場合、一旦電話を切り担当者に折り返し電話の要請をするなどの手間がかかっていた
- 社外にいる社員との電話のやり取りが多く、通信費が高騰していた
それがFMCサービスを導入することで、以下のように改善されるようになったのです。
- 社内で出た電話を、一度切ることなく外出中の担当者に取り次げる
- 外出中の社員との通話が内線化できたるめ、通信費が軽減
キャリアが提供しているFMCサービス3選
FMCには、具体的にどのようなサービスがあるのでしょうか?
3大キャリアが提供しているサービスについて見ていきましょう。
docomo「オフィスリンク®」
携帯電話シェアNO.1のNTTドコモが提供するサービスが、「オフィスリンク®」です。
全国のドコモのサービスエリアを内線エリアとして利用できます。
内線通話の通信料が定額なので、内線でのやり取りに通信費の心配がありません。
オフィスリンク®の注目ポイントは以下です。
- 生産性向上
- 設備費用の削減
- 業務効率化
KDDI「ビジネスコールダイレクト」
業務効率化やコスト削減だけでなく、社内コミュニケーション活性化ももたらしてくれるサービスが、KDDIが提供する「ビジネスコールダイレクト」です。
全国のau携帯電話エリアを内線エリアとして利用でき、FMCサービスでは圧倒的シェアを持っていると言われています。
SMSも利用可能で、内線通話とSMSが無料で利用できます。
ビジネスコールダイレクトの注目ポイントは以下です。
- 業務効率化
- 社員間のコミュニケーション効率化
- 通信コスト削減
- 運用コスト削減
- 効率的なワークスタイルへの変革
SoftBank「ConnecTalk」
クラウドPBX機能とFMC機能をパッケージで提供しているのが、ソフトバンクが提供する「ConnecTalk」です。
VoLTEという規格を使用することで、高品質な音声通話環境を構築しています。
企業の環境に合わせて、2つのタイプからサービスを選択できます。
社内外で内線できるFMC機能と、拠点のPBXをクラウド化させるクラウドPBX機能をセットにしたサービスで、ビジネスに合わせた音声コミュニケーションを実現させています。
ConnecTalkの注目ポイントは以下です。
- 企業によくある「島」の体制を維持しながらも、内線化によるテレワークを実現できる
- アプリをインストールしなくても、携帯電話を内線として利用できる
- 初期費用を抑え、最低限のコストとリソースで運用できる
- VoLTEによる高品質な音声通話を利用できる
FMCを利用する3つのメリット
FMCでスマホなどの携帯端末を内線化した場合の、3つのメリットについて解説します。
業務効率化が図れる
担当者不在の場合も、一旦電話を切って、担当者から折り返すといった手間が軽減されます。
取り次ぐ人は無駄な手間が軽減され自分のメイン業務に集中できますし、担当者も「折り返してみたら今度は先方の担当者が不在だった」というすれ違いが無くなります。
つまり関係者全員の業務効率化を図ることができます。
通信コストが削減できる
プラン利用料は発生しますが、内線通話は基本的には無料である場合が多いので、トータルの通話料が大幅に削減できます。
設備を柔軟に変更できる
固定電話機であれば配線などが必要ですが、FMCを利用すればこれらは不要です。
事務所移転や社内での座席変更などにも柔軟に対応できます。
FMCを利用する2つのデメリット
FMCは業務効率化やコスト軽減が図れる一方で、デメリットも存在します。
発生する2つのデメリットについて見ていきましょう。
緊急ダイヤルが利用できない
IP回線を利用している場合は、緊急ダイヤルが利用できません。
利用する際には、110番や119番が利用できないことを事前に理解しておきましょう。
セキュリティリスクがある
社外に顧客情報や社内情報を持ち出すことが容易になり、情報漏洩などのリスクに繋がります。
特にプライベートのスマホや携帯電話を使用する企業では、どのようにセキュリティリスク対策するのか考える必要があります。
FMC利用における注意点
FMCを導入する際の注意点を理解しておかないと、契約するキャリアとのトラブルに繋がる恐れがあります。
FMCサービスを利用する際の、2つの注意点を解説します。
通信キャリアを一本化させなければいけない
FMCサービス導入にあたっては、ビジネスフォンやスマホ、携帯電話は、キャリアを1本化させる必要があります。
複数のキャリアと契約している場合は、いずれかのキャリアを解約しなければいけません。
キャリアによっては解約に対して違約金が発生する場合もあるので、解約に関しては規約を十分確認のうえ慎重に進めるようにしましょう。
コスト削減にならないケースもある
以下のケースの場合、コスト削減に繋がらないこともあります。
- 内線電話をほとんど利用しないケース
- 外線電話を頻繁に使用するケース
コスト削減を目的に導入する場合は、事前に自社での利用シーンをイメージしてから導入するようにしましょう。
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは、これまでオフィスに設置していたPBX(構内電話交換機)をクラウド上で提供するサービスです。
PBXを自社で持たずにサービスが利用でき、管理やメンテナンス対応が不要になるため、管理する企業の運用負荷が大幅に軽減できます。
近年FMCとクラウドPBXを掛け合わせるサービスが登場し、初期導入費用や運用コストの確保が難しい中小企業や、スピード感重視のスタートアップ企業の間で人気が高まっています。
さらにリモートワークや働き方改革が推進されるようになり、その傾向はどんどん高まっています。
参考:総務省「令和元年5月31日公表・平成30年通信利用動向調査ポイント」
http://www.soumu.go.jp/main_content/000622147.pdf?_ga=2.164158975.1539635406.1650074095-1430070245.1650074095
キャリアが提供しているクラウドPBXサービス
前述した状況を受け、大手通信キャリアもクラウドPBXの市場に参入しています。
先に説明したdocomoの「オフィスリンク®」やSoftBankの「ConnecTalk」は、クラウドPBXのタイプでも導入することができます。
KDDIも「仮想PBXサービス」という、クラウドPBXタイプのFMCサービスを提供しています。
参考:KDDI仮想PBXサービス
https://biz.kddi.com/service/virtual-pbx/charge/
まとめ:スマホ内線化で業務効率化するならクラウドPBXタイプのFMCサービスがおすすめ
FMCサービスや、クラウドPBXについて解説しました。
FMCサービスの利用でより効果性を高めるには、クラウドPBXの利用が欠かせません。
FMCサービスのデメリットを補完できるのが、クラウドPBXなのです。
社内の内線に関する悩みが、クラウドPBXタイプのFMCサービスで解決できるでしょう。
当記事で紹介したキャリアが提供するもの以外にも、さまざまなクラウドPBXベンダーが存在します。
自社の状況に適したサービスを利用し、業務効率化やコスト削減を図ってください。
お問い合わせ電話を外部委託することで、電話対応業務を効率化できます。
外部委託をお考えの際は、 カスタマーサポートPlus をご検討ください。